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著作権コンサルタントをしています。クリエーターの卵から世界的に著名なアーティストまで、コンテンツビジネスや著作権にかかわる法律問題について、グローバルに支援しています。 カネダ著作権事務所 http://www.kls-law.org/

2025年6月19日木曜日

Q&A/お店で購入したゲームソフトを転売することは、頒布権の侵害になるのですか?

 

{Q} お店で購入したゲームソフトを転売することは、頒布権の侵害になるのですか?

A あなたがお店で購入したゲームソフトが「適法に」市場に出されたものであれば、それを転売しても頒布権の侵害には当たりません(自由に転売できます)

「頒布権」(261)は「映画の著作物」にのみ認められる権利ですが、これは、「譲渡権」(26条の2)や「貸与権」(26条の3)よりも強力な権利であると言うことができます。このような取扱いの背景には、いわゆる配給制度の慣行のあった劇場用映画が念頭にあります。そのため、「頒布権」の中の「譲渡」に関する部分には、通常の「譲渡権」に適用される「消尽理論」(譲渡権は著作物の複製物がいったん適法に譲渡された後は消滅するという法理)も適用されない(つまり、劇場用映画の頒布権は消尽しない)と解されます。ところが、劇場用映画以外の映画の著作物の複製物、例えば、市販のホームビデオやDVD、ゲームソフトなどについては、いったん適法に販売(譲渡)された後(市場に出回った後)にそれがさらに中古市場で転売されても、それ自体「公衆に提示することを目的」として転売されているわけではないことや、市場における商品の円滑な流通を確保すること等の観点から、そのような映画の著作物の転売には頒布権は及ばない(頒布権が消尽する)との判例(最高裁の判断)があります。

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