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著作権コンサルタントをしています。クリエーターの卵から世界的に著名なアーティストまで、コンテンツビジネスや著作権にかかわる法律問題について、グローバルに支援しています。 カネダ著作権事務所 http://www.kls-law.org/
ラベル 重要判例<著作者人格権非侵害事例> の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2025年11月13日木曜日

判例/写真に虚偽の説明を加えたら写真の同一性保持権を侵害するか

 

写真に虚偽の説明を加えたら写真の同一性保持権を侵害するか

▶平成200626日東京地方裁判所[平成19()17832]

() 同一性保持権侵害について

原告は,被告Aは,本件書籍に,本件写真1及び本件写真2-1を掲載し,「外気温38.5度でもエアコン不要のSSSの施工工場」との説明を加えたが,本件写真1はリフレクティックス製品を使用した工場内の写真であって,「SSS」の施工工場ではなく,上記説明は虚偽の説明であるから,本件写真1についての原告の同一性保持権を侵害した旨主張する。

しかし,原告の上記同一性保持権侵害の主張は,被告Aが本件写真1について加えた説明が本件写真1の被写体と一致していないというものであって,本件写真1そのもの又は本件写真1の題号を変更,切除その他の改変をしたというものではないから,その主張自体理由がない。

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2025年9月29日月曜日

判例/書籍に掲載された中学校学年文集の詩の公表権侵害を否定した事例

 

書籍に掲載された中学校学年文集の詩の公表権侵害を否定した事例

平成120229日東京地方裁判所[平成10()5887]

三 争点3(公表権の侵害)について

1 公表権の侵害は、公表されていない著作物又は著作者の同意を得ないで公表された著作物が公衆に提供され又は提示された場合に認められる(著作権法181項)。

本件詩は言語の著作物(同法1011号)であるから、これが発行された場合に公表されたといえる(同法41項)ところ、右の「発行」とは、その性質に応じて公衆の要求を満たす程度の部数の複製物が作成され、頒布されたことをいい(同法31項)、さらに、「公衆」には、特定かつ多数の者が含まれるとされている(同法25項)。

2 これを本件についてみるに、証拠によれば、本件詩は、平成3年度の甲府市立北中学校の「学年文集」に掲載されたこと、この文集は右中学校の教諭及び同年度の卒業生に合計300部以上配布されたことが認められる。

右認定の事実によれば、本件詩は、300名以上という多数の者の要求を満たすに足りる部数の複製物が作成されて頒布されたものといえるから、公表されたものと認められる。また、本件詩の著作者である原告は、本件詩が学年文集に掲載されることを承諾していたものであるから、これが右のような形で公表されることに同意していたということができる。

3 したがって、公表権侵害を根拠とする原告の請求は、理由がない。

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2025年9月27日土曜日

判例/「シナリオ協力」との表示は妥当か

 

「シナリオ協力」との表示は妥当か

令和61129日東京地方裁判所[令和3()5411]▶令和787日知的財産高等裁判所[令和7()10007]

(3) 氏名表示権侵害について

前提事実のとおり、本件漫画には、「原作者」として被告のペンネームである「Biii」が、「シナリオ協力」として原告のペンネームである「Ai」が、それぞれ表示されているところ、原告は、このような表示は、二次的著作物の原著作者名の表示とはいえないと主張する。

そこで検討すると、著作権法19条1項は、「著作者は、…その著作物の公衆への提供」又は「提示に際し、その…変名を著作者名として表示…する権利を有する」と規定しているものの、同法は、その具体的な態様について、特段規定していない。そして、原告シナリオと本件漫画とを対比すると、本件漫画の大まかなストーリー展開や場面、出来事については原告シナリオと似通っているといえるものの、登場人物の台詞については具体的表現が異なるところが多いことが認められる(別紙著作物主張対比表参照)。

そうすると、仮に本件漫画が原告シナリオの二次的著作物であるとしても、本件漫画における原告の創作的表現の貢献の度合いに照らせば、「シナリオ協力」として原告の変名が表示されていることが、著作権法19条1項所定の変名としての著作者名の表示に当たらないということはできない。

したがって、原告の上記主張を採用することはできず、被告が原告の氏名表示権を侵害したとはいえない。

 

[控訴審同旨]

…… 原告は、本件漫画には「原作者」として表示されるべきであったと主張するが、もともと原告シナリオ自体、被告が作成した本件素案に基づいて作成されたものであるという経緯があることを踏まえると、仮に本件漫画が原告シナリオを原著作物とし、これを改変した二次的著作物であるとした場合でも、「シナリオ協力」という表記が原著作物の著作者の表記として必ずしも不当とはいい難い。したがって、原告の主張を採用することはできない。

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判例/テレビ番組エンドロールでの「参考文献 X著『…』」の表示(氏名表示)が問題となった事例

 

テレビ番組エンドロールでの「参考文献 X著『…』」の表示(氏名表示)が問題となった事例

▶平成27225日東京地方裁判所[平成25()15362]

氏名表示権侵害の成否につき

原告は,被告各番組において原作者として原告の氏名が表示されていないとして氏名表示権侵害を主張するところ,前記のとおり,被告各番組のエンドロールで,「参考文献 X著『田沼意次 主殿の税』」,「参考文献 X著『開国 愚直の宰相堀田正睦』」,「参考文献 X著『調所笑左衛門 薩摩藩経済官僚』」と表示されていたことが認められる。

上記各表示は,原告各小説と併せて「X著」と表示して,その著者が原告であることをその実名の表示をもって示しているものと認めることができる。

そして,「参考文献」との記載によって,被告各番組が原告各小説に依拠して制作されたことは明らかであるから,被告各番組は原告各小説の二次的著作物に該当すると認められるところ,上記各表示は,「その著作物を原著作物とする二次的著作物の公衆への提供又は提示に際しての原著作物の著作者名の表示」(著作権法19条1項後段)に該当するものと認められる。

仮にそうでないとしても,同条3項は,「著作者名の表示は,著作物の利用の目的及び態様に照らし著作者が創作者であることを主張する利益を害するおそれがないと認められるときは,公正な慣行に反しない限り,省略することができる」と規定するところ, そもそも,前記1のとおり,本件において著作権(複製権,翻案権)侵害が認められるのは,被告各番組のうち,被告番組1については被告番組1-2-1,被告番組2については被告番組2-5-6,被告番組3については被告番組3-4-6,被告番組4については被告番組4侵害認定表現部分,被告番組5については被告番組5侵害認定表現部分に限られ,ほとんどの部分において複製権侵害,翻案権侵害のいずれも成立していないこと,そして,前記のとおり被告各番組のエンドロールにおける上記表示において,「参考文献」として原告各小説が原告の実名とともに表示されており,かかる表示態様である以上,被告各番組が原告各小説に依拠して制作されたことが十分に感得できること,この点,証拠及び弁論の全趣旨によれば,被告は,シリーズ「THE ナンバー2~歴史を動かした陰の主役たち」のテレビ番組において,被告各番組と同様に,その回の主要参考文献とした作品については,番組のエンドロールにおいて「参考文献」として当該作品のタイトルとその著者名を併記したものを字幕表示していたことが認められること,それらの諸事情を総合すると,本件においては「著作物の利用の目的及び態様に照らし著作者が創作者であることを主張する利益を害するおそれがない」(同条3項)と認めるのが相当である。

また,歴史小説を題材に制作されたテレビ番組において,番組のエンドロールにおいて題材にされた歴史小説のタイトルとその著者名を併記したものを字幕表示するという方法は,通常行われる方法であるといえるところ,被告が被告各番組において行った前記の表示態様は,上記の方法に沿って行われたものであるから,「公正な慣行に反しない」(同項)ものであると認めるのが相当である。

したがって,同項により,著作者名である原告の氏名の表示を省略することができるものというべきである。

よって,被告各番組の公衆への提供又は提示は,原告の氏名表示権を侵害するものではないと認めるのが相当である。

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