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著作権コンサルタントをしています。クリエーターの卵から世界的に著名なアーティストまで、コンテンツビジネスや著作権にかかわる法律問題について、グローバルに支援しています。 カネダ著作権事務所 http://www.kls-law.org/
ラベル Q&A{著作権の制限} の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2025年9月9日火曜日

Q&A/「作風」「画風」というのは著作物に当たりますか?[補足版]

 

{Q}「作風」「画風」というのは著作物に当たりますか?[補足版]

A いいえ、著作物に当たりません。

「著作物」というのは、思想又は感情を具体的に表現したものでなければなりません(211)。「作風」や「画風」というのは、それ自体では抽象的な「アイディア」にとどまり、具体的な表現ではありません。したがって、「著作物」に当たらず、誰かの「作風」や「画風」を真似て作品を創作しても、そのこと自体は、著作権の侵害にはなりません()

() 昨今話題になっている「生成AI」との関係で、この点が問題になっています。「〇〇(作家の名前)の作風に似せた△△(イラストやキャラクターなど)を作成せよ」と生成AIに命じると、AIが簡単に、その指示に応じた作品を作り上げてしまうからです。

 

【補足(生成AIに関わる論点)

 

本サイト内「著作権Q&A」の中で、『作風」「画風」というのは著作物に当たりますか?』の項目が非常に多くの方に読まれています。この点に関し、近似話題(問題)になっている生成AIとの関係について、令和6年3月15日に公表された文書『AI と著作権に関する考え方について』**(文化審議会著作権分科会法制度小委員会)が参考になりますので、ここで紹介したいと思います。

 

**留意点(以下抜粋)

『〇 この文書(「本考え方」)は、生成AIと著作権に関する考え方を整理し、周知すべく、文化審議会著作権分科会法制度小委員会において取りまとめられたものである。

○ 本考え方は、その公表時点における、本小委員会としての一定の考え方を示すものであり、本考え方自体が法的な拘束力を有するものではなく、また現時点で存在する特定の生成AIやこれに関する技術について、確定的な法的評価を行うものではないことに留意する必要がある。

○ 今後も、著作権侵害等に関する判例・裁判例をはじめとした具体的な事例の蓄積、AIやこれに関連する技術の発展、諸外国における検討状況の進展等が予想されることから、引き続き情報の把握・収集に努め、必要に応じて本考え方の見直し等の必要な検討を行っていくことを予定している。』

 

「著作権法で保護される著作物の範囲」に関する記述(本考え方)

『このように、著作権法は、著作物に該当する創作的表現を保護し、思想、学説、作風等のアイデアは保護しない(いわゆる「表現・アイデア二分論」)。この理由としては、アイデアを著作権法において保護することとした場合、アイデアが共通する表現活動が制限されてしまい表現の自由や学問の自由と抵触し得ること、また、アイデアは保護せず自由に利用できるものとした方が、社会における具体的な作品や情報の豊富化に繋がり、文化の発展という著作権法の目的に資すること等が挙げられる。』

 

「クリエイターや実演家等の権利者の懸念」(抜粋)

『③ 生成AIの普及により、既存のクリエイター等の作風や声といった、著作権法上の権利の対象とならない部分(以下、「作風等」という。)が類似している生成物が大量に生み出され得ること等により、クリエイター等の仕事が生成AIに奪われること

AI 生成物が著作物として扱われ、大量に出回ることで、新規の創作の幅が狭くなり、創作活動の委縮につながること』

 

『近時は、特定のクリエイターの作品である少量の著作物のみを学習データとして追加的な学習を行うことで、当該作品群の影響を強く受けた生成物を生成することを可能とする行為が行われており、このような行為によって特定のクリエイターの、いわゆる「作風」を容易に模倣できてしまうといった点に対する懸念も示されている。

この点に関して、いわゆる「作風」は、これをアイデアにとどまるものと考えると、(上記)のとおり、「作風」が共通すること自体は著作権侵害となるものではない。

他方で、アイデアと創作的表現との区別は、具体的事案に応じてケースバイケースで判断されるものであるところ、生成AIの開発・学習段階においては、このような特定のクリエイターの作品である少量の著作物のみからなる作品群は、表現に至らないアイデアのレベルにおいて、当該クリエイターのいわゆる「作風」を共通して有しているにとどまらず、創作的表現が共通する作品群となっている場合もあると考えられる。このような場合に、意図的に、当該創作的表現の全部又は一部を生成AIによって出力させることを目的とした追加的な学習を行うため、当該作品群の複製等を行うような場合は、享受目的[注:著作権法30条の4参照]が併存すると考えられる。

また、生成・利用段階においては、当該生成物が、表現に至らないアイデアのレベルにおいて、当該作品群のいわゆる「作風」と共通しているにとどまらず、表現のレベルにおいても、当該生成物に、当該作品群の創作的表現が直接感得できる場合、当該生成物の生成及び利用は著作権侵害に当たり得ると考えられる。』

 

『著作権法が保護する利益でないアイデア等が類似するにとどまるものが大量に生成されることにより、特定のクリエイター又は著作物に対する需要が、AI生成物によって代替されてしまうような事態が生じることは想定しうるものの、当該生成物が学習元著作物の創作的表現と共通しない場合には、著作権法上の「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」[注:著作権法30条の4但記参照]には該当しないと考えられる。他方で、この点に関しては、本ただし書に規定する「著作権者の利益」と、著作権侵害が生じることによる損害とは必ずしも同一ではなく別個に検討し得るといった見解から、特定のクリエイター又は著作物に対する需要が、AI 生成物によって代替されてしまうような事態が生じる場合、「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」に該当し得ると考える余地があるとする意見が一定数みられた。

また、アイデア等が類似するにとどまるものが大量に生成されること等の事情が、法第30 条の4との関係で「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」には該当しないとしても、当該生成行為が、故意又は過失によって第三者の営業上の利益や、人格的利益等を侵害するものである場合は、因果関係その他の不法行為責任及び人格権侵害に伴う責任の要件を満たす限りにおいて、当該生成行為を行う者が不法行為責任や人格権侵害に伴う責任を負う場合はあり得ると考えられる**

なお、この点に関しては、アイデアと創作的表現との区別は、具体的事案に応じてケースバイケースで判断されるものであり、(上記)のとおり、特定のクリエイターの作品である少量の著作物のみを学習データとして追加的な学習を行う場合、当該作品群が、当該クリエイターの作風を共通して有している場合については、これにとどまらず、創作的表現が共通する作品群となっている場合もあると考えられる。このような場合には、追加的な学習のために当該作品群の複製等を行うことにおいて享受目的が併存し得ることや、生成・利用段階において、生成物に当該作品群の創作的表現が直接感得でき、著作権侵害に当たり得ることに配意すべきである。』

 

**著作物性がないものであったとしても、判例上、その複製や利用が、営業上の利益を侵害するといえるような場合には、民法上の不法行為として損害賠償請求が認められ得ると考えられる。最判平成23128(北朝鮮事件)では、「ある著作物が同条(注:著作権法第6条)各号所定の著作物に該当しないものである場合、当該著作物を独占的に利用する権利は、法的保護の対象とはならないものと解される。したがって、同条各号所定の著作物に該当しない著作物の利用行為は、同法が規律の対象とする著作物の利用による利益とは異なる法的に保護された利益を侵害するなどの特段の事情がない限り、不法行為を構成するものではないと解するのが相当である。」と判示している。

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2025年8月19日火曜日

判例/「適法引用」(法32条1項)の立証責任

 

「適法引用」(法32条1項)の立証責任

▶平成30823日知的財産高等裁判所[平成30()10023]

著作権法32条1項は,飽くまで著作権行使の制限規定である以上,その適用については,基本的に適用を主張する側が要件充足の主張立証責任を負うものと解するのが相当である。

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2025年6月28日土曜日

Q&A/非営利、無料かつ無報酬であれば、著作物を自由に演奏したり上映したりできると聞きました。もう少し詳しく教えてください。

 

{Q} 非営利、無料かつ無報酬であれば、著作物を自由に演奏したり上映したりできると聞きました。もう少し詳しく教えてください。

A 承知しました。

著作権の制限規定のなかに「営利を目的としない上演等」という規定(38)があり、その第1項で、「公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。」

この規定によって、例えば、図書館活動の一環で子供たちを集めて本の朗読会(非営利、無料かつ無報酬の朗読会)を行う場合は、「口述権」(24)が制限され、著作権者の許諾を得なくても自由に行うことができます。同じように、演劇脚本の作品を学校の文化祭で生徒たちが上演する場合(非営利、無料かつ無報酬の上演の場合)、「上演権」(22) が制限され、著作権者の許諾を得なくても自由に行うことができます。また、学校の文化祭や運動会で市販のCDを使って音楽を流す場合(非営利、無料の演奏の場合※このケースでは、CD演奏の演奏者に報酬が支払われることは通常考えられないので無報酬の要件は事実上満たしている)、「演奏権」(22) が制限され、著作権者の許諾を得なくても自由に行うことができます。

 

381項に規定する自由な公の演奏等が認められるためには、具体的には。以下の4つの要件をすべて満たすものでなければなりません(いずれか1つでも要件を欠けば、本規定による自由利用は認められません)。

① 公表(4条参照)された著作物についての演奏等であること。

「公表」の概念については4条に詳しく規定されています。

② 営利を目的としないこと。

営利性については、公表著作物の利用行為そのものが直接的又は間接的に利用者(主催者等)の利益につながるか否かという観点から判断されるものと解されます。例えば、販促活動の一環として行われる無料上映会や無料演奏会、喫茶店やレストラン、バーにおけるBGM、さらには、工場内における作業効率向上のためのBGMなどは、いずれも営利を目的とする利用であると解されます。

③ 料金を受けないこと。

「料金」は、「入場料」・「入会金」・「会場費」・「受講料」等、その名義のいかんを問わず、著作物の提供又は提示に対する実質的な対価がすべて含まれます。例えば、入場自体は無料であっても、当該演奏会に入場できる者はあらかじめ「会費」や「寄付金」を支払っている会員のみに限定される場合には、「料金を受けていない」とは言えません。

④ 実演家又は口述者に報酬が支払われないこと。

「報酬」は、「出演料」や「ご祝儀」等、その名目のいかんを問わないものと解されます。例えば、「車代」や「弁当代」等の名目で支払われるものであっても、実費を越えて、実質的に実演や口述を行うことに対する反対給付と捉えられる場合にはなお「報酬」に該当するものと解されます。

なお、以上は、実演や口述が「生(ライブ)」で行われる場合の話であり、実演や口述が録音物又は録画物の再生によって行われる場合に(27項参照)、その録音又は録画の際に当該実演家又は口述を行う者に報酬が支払われていたとしても、本規定に言う「報酬が支払われる場合」には当たりません。

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2025年6月27日金曜日

Q&A/喫茶店や食堂などのテレビで放送番組を店内のお客さんに見せている場合がありますが、これは。著作権法上問題はないのですか?

 

{Q} 喫茶店や食堂などのテレビで放送番組を店内のお客さんに見せている場合がありますが、これは。著作権法上問題はないのですか?

A:通常は、著作権法上の問題はありません(そのような行為は著作権の侵害に当たりません)

著作者は、公衆送信(「放送」は公衆送信の一態様です。)されるその著作物(ここではテレビの放送番組)を受信装置を用いて「公に伝達する権利」を専有します(232)。この権利を「公の伝達権」とか「公衆伝達権」と呼んでいます。したがって、「喫茶店や食堂などのテレビで放送番組を店内のお客さんに見せている場合」、原則として、この公の伝達権の侵害となるのですが、公の伝達権には大きな制約があって、法383項に、「放送され……る著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、受信装置を用いて公に伝達することができる。通常の家庭用受信装置を用いてする場合も、同様とする」との規定があります。そのため、ご質問のようなケースでは、たとえそれが営利目的で使われているとしても、「通常の家庭用受信装置」を用いてする限り、著作権者の許諾は必要ないことになります。

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2025年6月20日金曜日

Q&A/建築の著作物は、大幅な自由利用が認められていると聞きました。本当ですか?

 

{Q} 建築の著作物は、大幅な自由利用が認められていると聞きました。本当ですか?

A 全く無制限に利用可能というわけではありません。

建築の著作物については、原則として、いずれの方法によるかを問わず、利用することができると規定されています(46)。その意味では、ご指摘のように「大幅な自由利用が認められている」といって差し支えありません。例えば、建築の著作物を被写体のメインに据えて、それを商品としての絵葉書やポスター、カレンダー等に複製(印刷)して販売することも可能です(同条4号参照)。だたし、全くのフリーハンドというわけではありません。全く同じ建物を建築して、それを第三者に譲渡するような場合には、著作権者の許諾が必要になります(同条2号参照)

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Q&A/公園に設置されているアート作品は、大幅な自由利用が認められていると聞きました。本当ですか?

 

{Q} 公園に設置されているアート作品は、大幅な自由利用が認められていると聞きました。本当ですか?

A 全く無制限に利用可能というわけではありません。

公園のような屋外の場所に恒常的に設置されているアート作品(美術の著作物)については、原則として、いずれの方法によるかを問わず、利用することができると規定されています(46)。その意味では、ご指摘のように「大幅な自由利用が認められている」といって差し支えありません。だたし、全くのフリーハンドというわけではありません。例えば、そのアート作品が「彫刻」の場合にそれを「増製」して公衆に「譲渡」するには、著作権者の許諾が必要になりますし、そのアート作品を商品としての絵葉書やポスター、カレンダーなどに複製(写真撮影印刷)して販売するような場合も、著作権者の許諾が必要になります(同条14号参照)

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Q&A/商店街組合の者です。わが商店街に設置されている彫刻の写真を組合のホ-ムペ-ジに掲載する際に、その彫刻の著作権者の許諾が必要ですか?

 

{Q} 商店街組合の者です。わが商店街に設置されている彫刻の写真を組合のホ-ムペ-ジに掲載する際に、その彫刻の著作権者の許諾が必要ですか?

A 必要はありません。

彫刻などの美術の著作物でその原作品が商店街のような屋外の場所に恒常的に設置されているものは、原則として、いずれの方法によるかを問わず、利用することができます(46)。よって、商店街に設置されている彫刻の写真を組合のホ-ムペ-ジに掲載する際にその彫刻の著作権者の許諾を得る必要はありません。もっとも、例えば、その彫刻を商品としての絵葉書やポスター、カレンダーなどに複製(写真撮影印刷)して販売するような場合は、別途、著作権者の許諾が必要になります(同条4号参照)

なお、「彫刻の写真」を撮影した者はその写真の著作者(著作権者)となりますので、ネットに掲載する場合でも、その撮影者の許諾は必要になります。

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Q&A/著作者には、著作権の他に公表権という著作者人格権があると聞いています。著作権法45条によって公に展示できる場合、公表権との関係はどうなるのですか?

 

{Q} 著作者には、著作権の他に公表権という著作者人格権があると聞いています。著作権法45条によって公に展示できる場合、公表権との関係はどうなるのですか?

A 未公表の原作品の所有者が、著作者の同意を得ずに、原作品を公に展示しても、通常、著作者人格権の1つである公表権を侵害することにはなりません。

ご指摘のように、美術の著作物や写真の著作物の原作品の所有者又はその同意を得た者は、これらの著作物をその原作品により公に展示することができます(451)。この場合、その原作品が「まだ公表されていない」(未公表)のものである場合に、その未公表の原作品を公に展示して公表権の侵害にならないのか、という趣旨のご質問だと思います。この点については、公表権と原作品の所有権との調整を図るための規定(1822)が別途用意されています。

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Q&A/それでは、当市が所蔵する彫刻作品を公園などの屋外に設置して展示することも可能ですか?

 

{Q} それでは、当市が所蔵する彫刻作品を公園などの屋外に設置して展示することも可能ですか?

A 原作品の所有者といえども、公園など「一般公衆に開放されている屋外の場所に恒常的に設置する場合」には、あらためて、権利者(展示権者)から許諾を得る必要があります。

彫刻などの美術の著作物の原作品の所有者は、原則として、権利者の許諾を得ずに、その著作物をその原作品により公に展示することができますが(451)、これには例外があって、美術の著作物の原作品を「街路、公園その他一般公衆に開放されている屋外の場所」や「建造物の外壁その他一般公衆の見やすい屋外の場所」に「恒常的に」設置(展示)する場合には、適用されません(同条2)。よって、彫刻作品の原作品の所有者といえども、それを公園などに恒常的に設置する場合には、あらためて、権利者(展示権者)から許諾を得る必要があります。

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Q&A/役場の者ですが、当市が寄贈を受けて所有する美術作品を市民会館で展示することを企画しています。作品の権利者から許諾を得る必要がありますか?

 

{Q} 役場の者ですが、当市が寄贈を受けて所有する美術作品を市民会館で展示することを企画しています。作品の権利者から許諾を得る必要がありますか?

A 美術作品の権利者(展示権者)から展示の許諾を得る必要はありません。

絵画や彫刻などの美術作品の展示(オリジナル作品による展示)については、著作権の1つである展示権(25)が働くため、本来は著作権者(展示権者)の許諾が必要になります。しかし、一方で、著作権法は、原作品(オリジナル作品)に対する所有権とその原作品に対する著作権(展示権)との調整を図るために、一定の自由利用(展示)を認めています。つまり、

美術の著作物の原作品の所有者は、その著作物(美術作品)をその原作品により公に展示することができます(451)。展示を検討されている美術作品については、「当市が寄贈を受けて所有する」ということですので、「原作品」による展示である限り、著作権者(展示権者)の許諾を得る必要はありません。

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2025年6月19日木曜日

Q&A/AI開発に使うビッグデータをAI開発を行う会社に譲渡することはできますか?

 

{Q} AI開発に使うビッグデータをAI開発を行う会社に譲渡することはできますか?

A 原則として、可能です(譲渡できます)

著作物は、「著作物の利用に係る技術の開発又は実用化のための試験の用に供する場合」には、「その必要と認められる限度」において、「いずれの方法によるかを問わず」、原則として、利用することができます(30条の41号参照)。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでありません。

最近では、例えば、AI技術の開発実用化のためにネット上の大量の情報(ビックデータ)を収集して試験に用いるといったことが行われています。このような著作物の試験利用は、通常、著作権者の経済的利益を不当に害するものではないと考えられるため、著作物の「公正な利用」(1条)とのバランスを図るという法目的に照らして、原則的な自由利用が認められています。その際、「いずれの方法によるかを問わず」利用することができると規定されているため、集めたビッグデータ(著作物)を「複製」するだけでなく、それを第三者に「譲渡」する利用行為についても、それがAI開発の試験利用という目的に限定されている限り、「その必要と認められる限度」において、原則として、可能になります。

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Q&A/より優れたAI(人工知能)開発のため、大量のデータを読み込ませて、学習させたいのですが、著作権者の許諾が必要でしょうか?

 

{Q} より優れたAI(人工知能)開発のため、大量のデータを読み込ませて、学習させたいのですが、著作権者の許諾が必要でしょうか?

A いわゆるディープラーニ ングによる人工知能の開発のために、学習用データとして著作物を人工知能(コンピュータ)に読み込ませる(複製させる)には、原則として、著作権者の許諾を必要としません。

著作物は、「情報解析の用に供する場合」は、原則として、自由に(著作権者の許諾を得ずに)利用することができます(30条の42)。ここで、「情報解析」とは、「多数の著作物その他の大量の情報から、当該情報を構成する言語、音、影像その他の要素に係る情報を抽出し、比較、分類その他の解析を行うこと」を意味します。よって、ご質問のような利用行為には、原則として、著作権者の許諾を必要としません。

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Q&A/新しいスピーカーを開発する場合に、その性能を検証するため、さまざまなジャンルの楽曲を録音再生する必要があります。著作権者の許諾は必要ですか?

 

{Q} 新しいスピーカーを開発する場合に、その性能を検証するため、さまざまなジャンルの楽曲を録音再生する必要があります。著作権者の許諾は必要ですか?

A ご質問にかかるような利用行為は、原則として、著作権者の許諾を必要としません。

著作物は、「著作物の利用に係る技術の開発又は実用化のための試験の用に供する場合」は、原則として、自由に(著作権者の許諾を得ずに)利用することができます(30条の41)。「新しいスピーカーを開発する場合に、その性能を検証するため」楽曲(著作物)を利用(複製演奏等)することは、「著作物(楽曲)の利用に係る技術の開発又は実用化のための試験の用に供する場合」の利用に当たると考えられます。

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Q&A/あるキャラクターを当社の商品に利用することを検討しています。その過程で、検討対象のキャラクターを企画書や会議資料に掲載することはできますか?

 

{Q} あるキャラクターを当社の商品に利用することを検討しています。その過程で、検討対象のキャラクターを企画書や会議資料に掲載することはできますか?

A キャラクター利用の検討過程における利用(企画書や会議資料への掲載)は、原則として、自由にできます。

あなたの会社がキャラクターの著作権者から許諾を得てキャラクター商品化を企画する場合、その商品化についての検討の過程や、実際にその許諾を得ようとする過程で、例えば、キャラクターを企画書や会議資料に掲載(複製)したり、会議室のスクリーンに映し出したりする(上映する)ことがあります。このような著作権者の許諾を得ることを前提とした行為は、通常、著作権者の利益を不当に害するものとは考えられないため、著作権者の利益を不当に害することとなるような特別な事情がある場合(例えば、キャラクターを利用した試作品を社外の者に幅広く頒布する行為など)を除いて、自由に(著作権者の許諾を得ずに)行うことが可能です(30条の3参照)。この点、商品化の企画が途中で頓挫して、実現できなかった場合でも、遡って違法な利用(複製等)があったと認定されることはありません。

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Q&A/おしゃれなカフェで自撮り写真を撮ったところ、背景に絵画が写り込んでしまいました。この自撮り写真はSNSにアップできないのですか?

 

{Q} おしゃれなカフェで自撮り写真を撮ったところ、背景に絵画が写り込んでしまいました。この自撮り写真はSNSにアップできないのですか?

A そのような自撮り写真をSNSにアップしても、原則として、問題になることはありません(その絵画の著作権を侵害することには当たりません)

著作権の制限規定の中で、「付随対象著作物の利用」(30条の2)というものがあります。条文が少々複雑なため、ここでは、細かな要件の説明は割愛しますが、要するに、写真撮影や録音録画などを行う際に、本来意図した対象(メインの対象)以外の著作物が「写り込んでしまった」場合、その写り込んでしまった著作物(付随対象著作物=絵画)を含むもの(作成伝達物=自撮り写真)SNSに投稿したりするなどの行為については、付随対象著作物(絵画)の著作権者の許諾がなくても、自由に行えることが規定されています。

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Q&A/海外の海賊版サイトから侵害コンテンツをダウンロードした場合は、どうなるのですか?

 

{Q} 海外の海賊版サイトから侵害コンテンツをダウンロードした場合は、どうなるのですか?

A 違法になり得ます。

違法化されるのは、著作権を侵害する自動公衆送信を受信して行うデジタル方式の複製についてですが、ここで言う「自動公衆送信」には、「国外で行われる自動公衆送信であって、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。(30134号かっこ書参照)とされています。よって、一般的に国内法が及ばない海外でアップロードされた侵害コンテンツをダウンロードする行為もそれを知りながら行えば、違法となり得ます。

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Q&A/それでは、違法にアップロードされたウェブ上の画像やテキストをプリントアウトするのはどうですか?違法ですか?

 

{Q} それでは、違法にアップロードされたウェブ上の画像やテキストをプリントアウトするのはどうですか?違法ですか?

A 違法行為に当たりません。

違法化されるのは、著作権を侵害する自動公衆送信を受信して行う「デジタル方式の複製」についてです。印刷機を使って「プリントアウト」するのは、「デジタル方式の複製」に当たりません。よって、違法化の対象外です。

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Q&A/ 侵害コンテンツが入ったファイルがメールで送られてきた場合、それを保存すると違法になるのですか?

 

{Q} 侵害コンテンツが入ったファイルがメールで送られてきた場合、それを保存すると違法になるのですか?

A そのような保存(複製)行為は、違法ではありません。

違法化されるのは、著作権を侵害する「自動公衆送信」を受信して行うデジタル方式の複製についてです。ここで「自動公衆送信」とは、「公衆送信のうち、公衆からの求めに応じ自動的に行うもの」(219号の4)をいいます。これは、インターネットを介して、サーバーに入力されている情報が利用者からの個別のリクエスト(端末のパソコンからのアクセス)があった場合にのみ自動的に送信されるような形態を想定したもので、一般的なメール送信は、この「自動公衆送信」には当たりません。そのため、メールを受信してそこに添付されているファイルを保存(複製)しても、違法化の対象になりません。

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Q&A/侵害コンテンツを「知りながら」ダウンロードした場合、いきなり訴訟を起こされたり、告訴されたりするのですか?

 

{Q} 侵害コンテンツを「知りながら」ダウンロードした場合、いきなり訴訟を起こされたり、告訴されたりするのですか?

A そのようなケースは稀だと思います。

著作権は著作物を創作した者(著作者)に付与される個人的な権利で、自己の著作権が侵害された(侵害されている)場合に、その侵害行為に対して何らかの民事上の請求や、捜査機関に対する告訴を行うかどうかは、基本的に著作権者の判断に委ねられます。著作権者が「知りながら」ダウンロードを認知した場合でも、それを殊更に問題視しなければ、ユーザーが法的責任を問われることはありません。一方、著作権者が自己の権利を行使する場合でも、通常は、相手方(侵害コンテンツを「知りながら」ダウンロードしている者)に「警告書」を送るのが一般的ですので、「いきなり」訴訟を起こされたり、告訴されたりするのは稀なケースだと思います。

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Q&A/私的使用を目的とする場合であっても、侵害コンテンツをそうと知りながらダウンロードすることは違法だと聞きました。「知っていたかどうか」は外部からは確認できず、結局、侵害コンテンツのダウンロードを違法化しても意味がないのではないですか?

 

{Q} 私的使用を目的とする場合であっても、侵害コンテンツをそうと知りながらダウンロードすることは違法だと聞きました。「知っていたかどうか」は外部からは確認できず、結局、侵害コンテンツのダウンロードを違法化しても意味がないのではないですか?

A そういう意見もあると思います。

3034号の立法趣旨の1つとして説明されているのは、その「抑止効果」です。「知りながら」違法ダウンロードを行った者に対しては、権利者が民事上の請求(損害賠償など)をすることが可能ですし、特に悪質性の高いダウンロード行為は刑事罰の対象(親告罪)になる(119 条3項12,1231項)ことから、捜査機関(警察・検察)による摘発の可能性もあります。この点、侵害コンテンツのダウンロードの違法化を明文で規定することで、実際に権利者から民事上の請求や捜査機関による摘発に至らなくても、侵害コンテンツの拡散を抑止する効果が期待できるものと考えられます。

一方、SNSなどで侵害コンテンツを自らダウンロードしていることを誇示している例が見られ、このような場合には、「知っていた」のことの立証も可能(容易)になりますので、まったく「意味がない」ということにはならないと思います。

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