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著作権コンサルタントをしています。クリエーターの卵から世界的に著名なアーティストまで、コンテンツビジネスや著作権にかかわる法律問題について、グローバルに支援しています。 カネダ著作権事務所 http://www.kls-law.org/
ラベル 重要判例<著作権総論> の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2025年10月29日水曜日

判例/編集著作権と素材の著作権の関係

 

編集著作権と素材の著作権の関係

平成27312日東京地方裁判所[平成25()28342]▶平成28224日知的財産高等裁判所[平成27()10062]

[控訴審]

しかし,一般に,編集著作権とそれを構成する素材の著作権は,別に観念することができ,また,それぞれ別個独立して譲渡の対象となり得るものであるとはいえるが,編集著作権を有する者と素材の著作権を有する者が同一である場合に,編集物の著作権を譲渡するとき,編集著作権のみを譲渡する趣旨であるのか,それを構成する個々の素材の著作権を含め譲渡する趣旨であるのかは,個別具体的な契約締結に至る経緯,契約内容,その他の事情により,判断されるべきものである。著作権法61条2項を類推又は準用して,編集著作物に該当する編集物に係る著作権の譲渡契約において,編集物を構成する素材の著作権を譲渡する旨特掲されていないときは,これが譲渡人に留保されたものと推定するべきであるとする控訴人教文社の上記主張は独自の見解であって,採用の限りでない。

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しかし,編集著作物を出版するについて,編集物を構成する素材の著作権者から使用許諾を受けるのみならず,編集著作権者からも使用許諾を受ける必要があるとしても,上記各使用許諾は法的には別個独立の契約であるから,編集物を構成する素材についての使用許諾を解約するにつき,その意思表示を契約当事者ではない編集著作権者と共に行わなければならない理由はない。

また,編集著作権者と編集物を構成する素材の著作権者は,著作権を共有しているわけではないから,編集物を構成する素材についての使用許諾を解約するにつき,共有著作権者ではない編集著作権者の同意を得なければならない理由はない。

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判例/二次的著作物の原著作者の権利

 

二次的著作物の原著作者の権利

令和5127日東京地方裁判所[令和5()70139]▶令和7924日知的財産高等裁判所[令和6()10007]

イ 本件テレビ作品は、亡Bの本件小説を原作として制作されたものであり、本件小説を原著作物とする二次的著作物であるところ、原著作物の著作者である亡Bは、二次的著作物である本件テレビ作品の利用に関し、本件テレビ作品の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有し(著作権法28条)、本件テレビ作品については、亡Bの権利と、二次的著作物である本件テレビ作品の著作者の権利とが併存することとなった(最高裁平成13年10月25日第一小法廷判決)。そのため、亡Bは、二次的著作物である本件テレビ作品の原作の著作者として、二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利、すなわち、本件テレビ作品についての著作権(複製権又は翻案権、譲渡権、公衆送信権)を専有していたものであり(著作権法28条)、亡B死亡後は、亡Aが遺産分割によりこれを取得し、亡A死亡後は、控訴人X2、控訴人X3及び控訴人X4が遺産分割によりこれを取得したものである。

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2025年10月25日土曜日

判例/写真フィルムの所有権の帰属が問題となった事例

 

写真フィルムの所有権の帰属が問題となった事例

平成170117日大阪地方裁判所[平成15()2886]

9 争点(9)(本件フィルムの所有権の帰属)について

(1) 著作権は、創作的な表現を保護するものであるから、著作物の表現媒体についての所有権と、その著作物についての著作権とは、別個に観念することができ、またすべきものである。例えば、絵画の著作物について、その著作権の所在と表現媒体となった絵画の所有権の所在とは、別個になることが当然あり得るものであり、これは、写真の著作物について、その著作権の所在とフィルムの所有権の所在との関係においても同様である。

したがって、本件においても、本件契約に基づいて原告が撮影した写真のフィルムで、被告エスピー・センターが保管しているものの所有権の帰属についても、その写真の著作権の帰属とは別個に検討する必要がある。

(2) 本件契約は、前記1で検討したとおり、原告が写真を撮影し、現像の上、その中から「ツーユー評判記」への掲載に用いるのに適した写真を選別して、そのフィルムを被告エスピー・センターに引き渡し、同被告は、原告に対し、その対価とフィルム代、現像代等を支払うというものである。

ここで、原告は、同被告に引き渡した本件フィルムについて、その保管状況のみならず、フィルムの点数すら把握していないこと(原告本人)、原告自身、同被告に引き渡した本件フィルムは、同被告に預けたものとしつつも、本人尋問において、そのフィルムが「役に立たなくなれば、エスピー・センターから私に返してくれてもいいし、役に立たなくなってしまえば、それはそのまま預けっぱなしです。」と供述し、しかもそのような話は同被告としたことがないとも供述していることに照らせば、原告は、同被告に引き渡した本件フィルムについて、自らの所有物であるという認識を有していなかったものと推認することができる。

このような原告の認識に加え、引き渡された本件フィルムは同被告の所有に属するという同被告の主張や、上記のとおり、フィルム代及び現像代は同被告が出捐していることを考慮すれば、本件契約の内容として、原告がこれに基づいて撮影し、同被告に引き渡したフィルムの所有権については、同被告が有するものと合意していたものと認めるのが相当である。

したがって、原告は、本件フィルムの所有権を有しているとは認められないから、所有権に基づく本件フィルムの返還請求は理由がない。

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2025年10月17日金曜日

判例/演奏権の意義

 

演奏権の意義

令和3318日知的財産高等裁判所[令和2()10022]

() 著作権法22条は,「著作者は,その著作物を,公衆に直接(中略)聞かせることを目的として(中略)演奏する権利を専有する。」として演奏権を定めている。著作権法は,「演奏」それ自体の定義規定を置いておらず,その内容は,辞書的,日常用語的な意味に委ねていると解されるところ,その意義は「音楽を奏すること」との意味合いであると理解するのが自然である。

そして,著作権法2条1項16号は,「上演」の定義中に「演奏(歌唱を含む。以下同じ。)」と定めているから,同法22条の「演奏」の中には歌唱が含まれている。また,著作権法2条7項は,「この法律において,「上演」,「演奏」又は「口述」には,著作物の上演,演奏又は口述で録音され,又は録画されたものを再生すること(公衆送信又は上映に該当するものを除く。)及び著作物の上演,演奏又は口述を電気通信設備を用いて伝達すること(公衆送信に該当するものを除く。)を含むものとする。」と定めているから,演奏には,録音されたものの再生や電気通信設備を用いた伝達(公衆送信に該当するものは除く。)が含まれることになる。

() 著作権法は,演奏行為の聴衆である「公衆」の定義規定は置いていないが,少なくとも不特定者が「公衆」に含まれることは明らかであるところ,同法2条5項は,「この法律にいう「公衆」には,特定かつ多数の者を含むものとする。」と定めているから,「公衆」とは,「特定かつ少数」以外の者(不特定又は多数の者)をいうことになる。

() 著作権法22条は,演奏を「直接」聞かせることを目的とするものとしているから,演奏行為は「直接」聞かせることを目的としてされるものを指すことは明らかである。したがって,著作権法は,演奏に際して,演奏者が面前(電気通信設備を用いる伝達を含む。)にいる相手方に向けて演奏をする目的を有することを求めているといえる。

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2025年8月16日土曜日

判例/権利濫用認定事例(同一性保持権等の侵害を理由として慰謝料の支払いなどを請求することが権利の濫用であって許されないとした事例)

 

権利濫用認定事例(同一性保持権等の侵害を理由として慰謝料の支払いなどを請求することが権利の濫用であって許されないとした事例)

▶平成80223日東京地方裁判所[平成5()8372]

右のような事実関係において、すなわち、自ら事前に二回にわたり、皇族の似顔絵や皇族を連想させるセリフ等の表現を用いないことを合意しておきながら、締切を大幅に経過し、製版業者への原画持込期限のさし迫った830日の夕刻になって、ようやく本件原画を渡し、長時間にわたる修正の要求、説得を拒否し、A編集長を他に取りうる手段がない状態に追い込んだ原告が、このように重大な自己の懈怠、背信行為を棚に上げて、A編集長がやむを得ず行った本件原画の改変及び改変後の掲載をとらえて、著作権及び著作者人格権の侵害等の理由で本件請求をすることは、権利の濫用であって許されないものといわざるをえない。

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2025年8月15日金曜日

判例/無方式主義と著作権表示

 

無方式主義と著作権表示

平成231031日知的財産高等裁判所[平成23()10020]

著作権が成立するためにはいかなる方式の履行も必要ではなく(著作権法172項),著作権者であることを表示していなければ権利行使ができないものではない(。)


平成27910日大阪地方裁判所[平成26()5080]

著作物に著作権者の表示がなされていなくとも,当該著作物は著作権法上保護の対象となるのであり,現に,著作権表示のない著作物は多数存在している。そして,原告イラストは,美術の著作物として著作権の対象となることは明らかなものである。そうすると,仮に原告のホームページにおいて,原告イラストについて©マークによる著作権表示がなかったとしても,著作権放棄である旨の表示がない限り,原告イラストは著作権放棄ではないと考えるのが自然であ(る)。

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2025年7月15日火曜日

判例/著作権は時効消滅するか

 

著作権は時効消滅するか

▶平成130918日東京高等裁判所[平成12()4816]

6 本件エスキースの著作権の時効消滅について

控訴人は,Dは,昭和42年4月,著作権を外形的に表象する本件エスキース[注:「エスキース」とは、建築家が建築物を設計するに当たり、その構想をフリーハンドで描いたスケッチである。]の原画の占有をEに移転させて以来,一度として著作権について権利行使することなく20年を経過した昭和62年5月に死亡し,その後,相続人である被控訴人らも,権利行使をしていないとし,時効消滅の主張をする。

著作権法17条は,財産権である著作権として21条ないし28条に規定する権利を享有すると定め,同法21条ないし28条において,著作者がその著作物を複製する権利を専有すること(複製権),著作者がその著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有すること(翻案権)などを定めている。そして,同法51条2項は,著作権は、原則として,著作者の死後50年[注:現70]を経過するまでの間存続すると定めている。そして,ここに「専有」とは,物権的な排他的支配権を意味するものと解することができ,その内容としては,自らこれを利用し他人には利用させないことも,自ら利用しつつ他人にも利用させることも,自らはこれを利用しないで,他人に利用させることも,自らもこれを利用せず他人にも利用させないことも,すべて当然に含んでいるものというべきである。

そうすると,著作権は,その性質上,当該著作物を利用することもせず,他人に対して権利行使をしていないとしても,それによって消滅時効が進行するというものではなく,かつ,消滅時効とは関係なく,法定の保護期間の満了をもって権利が消滅することになると解するのが相当である。

控訴人の上記主張も,失当である。

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2025年6月19日木曜日

判例/「専有」の意義

 

「専有」の意義

平成130918日東京高等裁判所[平成12()4816]

「専有」とは,物権的な排他的支配権を意味するものと解することができ,その内容としては,自らこれを利用し他人には利用させないことも,自ら利用しつつ他人にも利用させることも,自らはこれを利用しないで,他人に利用させることも,自らもこれを利用せず他人にも利用させないことも,すべて当然に含んでいるものというべきである。

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