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著作権コンサルタントをしています。クリエーターの卵から世界的に著名なアーティストまで、コンテンツビジネスや著作権にかかわる法律問題について、グローバルに支援しています。 カネダ著作権事務所 http://www.kls-law.org/
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2025年11月24日月曜日

判例/利用許諾契約当事者の注意義務(相手方の利用許諾権限の有無を確認する注意義務があるとした事例)

 

利用許諾契約当事者の注意義務(相手方の利用許諾権限の有無を確認する注意義務があるとした事例)

平成28216日東京地方裁判所[平成25()33167]▶平成28112日知的財産高等裁判所[平成28()10029]

イ 被告スペースについて

第三者が著作権や著作隣接権を有する著作物の利用について契約を締結する場合,当該契約の相手方が当該著作物の利用を許諾する権限を有していなければ,当該契約を締結しても当該著作物を利用することはできない。

したがって,当該契約の当事者としては,相手方の利用許諾権限の有無を確認する注意義務があるというべきであり,これを怠って当該著作物を利用した場合,当該第三者に対する不法行為責任を免れないと解される。

これを本件についてみるに,被告スペースは,本件再委託契約の締結時において,被告タッズがレコード製作者及び実演家の各著作隣接権を有しないことを認識していたと認められるところ,被告スペースらは,被告タッズの利用許諾権限に疑義等を抱かしめるような事情はなかったと主張するのみで,被告スペースにおいて,著作隣接権者に問い合わせ,又は本件契約書を確認するなどの方法によって,本件CD及び本件楽曲についての被告タッズの利用許諾権限を確認した等の主張はないし,証拠上もこうした事実を認めることはできない。

そうすると,被告スペースは,本件CDの無断レンタルや本件楽曲の無断配信について少なくとも過失があると認められるから,原告ノアに対し,被告タッズらとの共同不法行為が成立する。

[控訴審同旨]

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2025年7月9日水曜日

Q&A/著作者人格権が侵害された場合、損害賠償の請求とは別に、著作者の名誉を回復するための措置を請求できると聞きました。本当ですか?例えば、どんな請求ができるのですか?

 

{Q} 著作者人格権が侵害された場合、損害賠償の請求とは別に、著作者の名誉を回復するための措置を請求できると聞きました。本当ですか?例えば、どんな請求ができるのですか?

A 本当です。「どんな請求」ができるかは、以下で紹介する裁判例を参考にしてください。

著作権法115に、「名誉回復等の措置」という表題の下、次の規定があります:

「著作者…は、故意又は過失によりその著作者人格権…を侵害した者に対し、損害の賠償に代えて、又は損害の賠償とともに、著作者…であることを確保し、又は訂正その他著作者…の名誉若しくは声望を回復するために適当な措置を請求することができる。」

上の規定は、著作者の人格的利益を保護しようとする著作者人格権の性質上、その侵害に対して、金銭による損害賠償のみでは填補されえない、毀損ないし減じられた人格的価値に対する社会的・客観的評価を回復すること等を可能にするために、著作者に、適当な措置を請求する権利を認めたものです。

著作者は、故意又は過失によりその著作者人格権を侵害した者に対し、以下の3つの措置を請求できるものと解されます。

① 「著作者であることを確保」するための適当な措置

主として氏名表示権(191項)が侵害された場合に採られうる措置です。

真の著作者(原告)は、公園に設置されている銅像にその制作者であると表示されている侵害者(被告)に対し、その銅像の所有者(市)宛に、当該銅像の著作者が自分(原告)であることを通知させることを請求することができ、このような通知は、原告が当該銅像の著作者であることを確保することにつながるものであり、法115条にいう「適当な措置」に当たる、とした裁判例があります(「ジョン万次郎銅像事件」)。

② 「訂正」するための適当な措置

「著作者人格権(同一性保持権)の侵害行為により改変された著作物の原作品を侵害前の原状に回復することは『訂正』に当たり,その必要性及び実現可能性があれば,著作者は,『訂正』するために適当な措置として,当該原状回復を請求することができるものと解するのが相当である。」と判示する裁判例があります(「観音像仏頭部すげ替え事件」)。

③ 「その他著作者の名誉若しくは声望を回復」するための適当な措置

主として同一性保持権(201項)が侵害された場合や法11311項に該当する場合に採られうる措置です。裁判では、新聞紙等への謝罪広告の掲載の適否がしばしば争われます。

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2025年7月5日土曜日

Q&A/著作権が侵害された場合、損害の賠償を請求することはできますか?

 

{Q} 著作権が侵害された場合、損害の賠償を請求することはできますか?

A 他の財産権等の場合と同様に、著作権侵害によって生じた損害の賠償を請求することができます。

この点、著作権法には明示的に規定されていませんが、民法の一般原則である「不法行為による損害賠償」を定めた民法709条の規定を著作権侵害に対する損害賠償請求権の法的根拠とみるのが通説です(著作権法114条等は、このことを前提に立法されていると解されます)

民法709条によれば、故意又は過失によって他人の著作権を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う、とされます。すなわち、損害賠償請求権が成立するためには、通例、①加害者の故意又は過失、②権利の侵害、③損害の発生、④権利侵害と損害発生との間の因果関係、の4つが存在することが必要で、しかも、その立証は、権利を主張する者つまり著作権者が行わなければなりません。これが、民法の原則です。もっとも、著作権法では、そのような権利者(著作権者))側の立証責任(負担)の軽減を図るため、法114条等の民法の特別規定が整備されています。

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2025年7月2日水曜日

Q&A/最近亡くなった私の母は、生前小説を書いていました。母の作品の1つが無断でネット上に掲載されていることを知りました。私は、侵害者に対して何らかの措置を取ることができますか?

 

{Q} 最近亡くなった私の母は、生前小説を書いていました。母の作品の1つが無断でネット上に掲載されていることを知りました。私は、侵害者に対して何らかの措置を取ることができますか?

A 特別の事情がなければ、あなたは、現に著作権を侵害している者に対しては、当該侵害行為の差止(停止)(1121)、すでに行われた侵害行為に対しては、一定要件の下で、損害賠償を請求することが可能です(民法709)。また、一定要件の下で、不当利得の返還を請求することが可能です(民法703)

著作権は、原則として、著作者の死後70年を経過するまでの間存続します(512)ので、例えば、生前にあなたのお母様が他人に当該小説の著作権を譲渡していたとか、遺産分割の際に当該著作権があなた以外の遺族に相続されていたなどの事情がない限り、あなたは当該著作権を相続しているものと考えられます。したがって、あなたは正当な著作権者として、上述した差止請求や損害賠償等の請求をすることが可能です。かりに、あなた以外に相続人がいて、当該著作権が相続人の「共有」になっている場合でも、あなたは、単独で、つまり、他の共有者(著作権者)の同意を得ないで、差止請求や自己の持分に対する損害賠償の請求又は自己の持分に応じた不当利得の返還請求をすることができます(117)

なお、著作権侵害罪 (1191)ついては、原則として、告訴がなければ公訴を提起することができない(つまり、親告罪)とされていますが(1231)、あなたは、「犯罪により害を被った者」として刑事告訴をすることも可能です(刑事訴訟法230条参照)

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