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著作権コンサルタントをしています。クリエーターの卵から世界的に著名なアーティストまで、コンテンツビジネスや著作権にかかわる法律問題について、グローバルに支援しています。 カネダ著作権事務所 http://www.kls-law.org/
ラベル 重要判例<渉外関係> の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2025年10月29日水曜日

判例/著作権侵害を理由とする損害賠償請求の準拠法

 

著作権侵害を理由とする損害賠償請求の準拠法

▶平成241221日東京地方裁判所[平成23()32584]

(3) そして,著作権侵害を理由とする損害賠償請求の法律関係の性質は,不法行為であるから,その準拠法は法の適用に関する通則法17条によるべきであり,「加害行為の結果が発生した地」は,我が国における著作権侵害による損害が問題とされているのであるから,我が国と解するのが相当である。

そうすると,当該請求については,我が国の法律が準拠法である。

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判例/著作権に基づく差止請求の準拠法

 

著作権に基づく差止請求の準拠法

▶平成160531日東京地方裁判所[平成14()26832]

1 準拠法について

我が国及び中国は,文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約(昭和50年条約第4号。以下「ベルヌ条約」という。)の同盟国であるところ,本件詩は,中国人であるAが著作者であり,中国において最初に発行された著作物であるから,中国を本国とし,中国の法令の定めるところにより保護されるとともに(ベルヌ条約2条(1),3条(1),5条(3)(4)),我が国においても,我が国の著作権法による保護を受ける(著作権法6条3号,ベルヌ条約5条(1))。そこで,本件各請求がいずれの国の法律を準拠法とするのかについて検討する。

(1) まず,著作権に基づく差止請求は,著作権の排他的効力に基づく,著作権を保全するための救済方法というべきであるから,その法律関係の性質を著作権を保全するための救済方法と決定すべきである。著作権を保全するための救済方法の準拠法に関しては,ベルヌ条約5条(2)により,保護が要求される国の法令の定めるところによると解するのが相当である。本件において保護が要求される国は,我が国であり,上記差止請求については,我が国の法律を準拠法とすべきである。

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判例/著作権移転の準拠法

 

著作権移転の準拠法

▶平成28622日知的財産高等裁判所[平成26()10019]

2 著作権移転の有無(争点2)

(1) 準拠法について

ア 原告協会は,フランスの法人であるところ,同協会に本訴で問題となる会員作品の著作権を移転した会員は,種々の国の人間からなるので,権利移転関係の準拠法を検討する必要がある。

イ 著作権の移転について適用されるべき準拠法を決定するに当たっては,移転の原因関係である契約等の債権行為と,目的である著作権の物権類似の支配関係の変動とを区別し,それぞれの法律関係について別個に準拠法を決定すべきである。

まず,著作権の移転の原因である債権行為に適用されるべき準拠法について判断するに,通則法7条により,第一次的には当事者の選択に従ってその準拠法が定められるべきである(同法施行(平成19年1月1日)前は法例7条1項により「当事者ノ意思」を準拠法とするが,実質的に変わりはない。)。そして,フランス法人である原告協会と会員(大部分がフランス人)との間の著作権移転に関する契約については,フランス法を選択する意思であったと解される。仮に,会員の中に,原告協会との契約において,フランス法を選択する明確な意思がなかった場合には,通則法8条により,最密接関連地法を適用することになるが,フランスの「1985年7月3日付けフランス共和国著作権並びに実演家,レコード製作者及び放送事業者の権利に関する法律」に基づいて設立されたフランス法人との契約であり,原告協会がフランス及び外国における著作権管理を行っていることからすると,最密接関連地もまたフランス法といえ,適用法に変わりはない(同法施行前は法例7条2項により「行為地」を準拠法とするが,本件ではフランスを行為地といえるので,実質的に変わりはない。)。

次に,著作権の物権類似の支配関係の変動について適用されるべき準拠法について検討するに,一般に,物権の内容,効力,得喪の要件等は,目的物の所在地の法令を準拠法とすべきものとされ,通則法13条は,その趣旨に基づくものである。著作権は,その権利の内容及び効力がこれを保護する国の法令によって定められ,また,著作物の利用について第三者に対する排他的効力を有するから,物権の得喪について所在地法が適用されるのと同様に,著作権という物権類似の支配関係の変動については,保護国の法令が準拠法となるものと解するのが相当である。

このように,著作権の物権類似の支配関係の変動については,保護国である我が国の法令が準拠法となるが,著作権の移転の効力が原因となる譲渡契約の締結により直ちに生ずるとされている我が国の法令の下においては,原告協会と会員との間の著作権移転に関する契約が締結されたことにより,著作権は会員から原告協会に移転することになる。

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2025年8月16日土曜日

判例/国際裁判管轄(専属的裁判管轄)の有無が問題となった事例

 

国際裁判管轄(専属的裁判管轄)の有無が問題となった事例

▶令和元年1113日東京地方裁判所[平成28()39687]

1 争点1(国際裁判管轄の有無)について

(1) 修正サービス契約6条(i)は,「トラスト及びサンエーは,それぞれ,本契約から生じる又は本契約に関連する全ての法的手続のため,ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所又はニューヨーク市に置かれるニューヨーク州裁判所の専属的裁判管轄に服する。」と定めている。被告会社は,同条項の「トラスト」との記載は単なる誤記にすぎず,同条項は被告会社とサンエー間の専属的裁判管轄の合意を定めたものであるから,本訴請求について我が国の裁判所は管轄権を有しないと主張する。

しかし,国際裁判管轄の合意は,その合意に係る管轄地に所在しない当事者に大きな不利益を与えることになることから,書面によって合意されなければならないとされており(民事訴訟法3条の7),同合意の存在は当該書面の記載に基づいて慎重に行うことが相当であるところ,修正サービス契約6条(i)は,専属的管轄合意の主体を,被告会社とは別の法人である「トラスト」と明示しており,被告会社のスペルの誤りなどではないから,その記載から合意の主体が被告会社であると認めることはできない。

修正サービス契約は,英文で起草された国際的な取引に関する企業間の契約書であり,各条項については,契約当事者がその文言について慎重に精査・検討した上で合意されたと考えるのが自然である。しかも,専属的裁判管轄の合意において,合意の主体は最も基本的かつ重要な要素の一つであることを考慮すると,修正サービス契約6条(i)に規定する専属的裁判管轄の合意主体はその文言に従って「トラスト」であると認めることが相当である。

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2025年6月28日土曜日

判例/(独占的)利用許諾契約の成立及び効力につきアメリカ法を適用した事例

 

(独占的)利用許諾契約の成立及び効力につきアメリカ法を適用した事例

▶平成241221日東京地方裁判所[平成23()32584]

1 準拠法について

(1) 本件では,本件写真の著作物性,著作者及び著作権者について争いがあるが,文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約(以下「ベルヌ条約」という。)5条(2)によれば,著作物の保護の範囲は,専ら,保護が要求される同盟国の法令の定めるところによるから,我が国における著作権の帰属や有無等については,我が国の著作権法を準拠法として判断すべきである。我が国とアメリカ合衆国は,ベルヌ条約の同盟国であるところ,本件写真は,アメリカ合衆国において最初に発行されたものと認められ,後記2のとおり,その著作物性と同国の国民である原告Aが著作者であることが認められるから,同国を本国とし,同国の法令の定めるところにより保護されるとともに(ベルヌ条約2条(1),3条(1),5条(3)(4)),我が国においても著作権法による保護を受ける(著作権法6条3号,ベルヌ条約5条(1))。

(2) また,本件では,原告A[注:職業写真家であり,ハワイ州に居住するアメリカ合衆国の国民]は,原告会社[注:ハワイの芸術品・美術品の販売のほか,写真のライセンス事業を業務とするハワイ州の法律に基づき設立された有限責任会社]に対し,本件独占的利用許諾権を付与したのであるから,このような利用許諾契約の成立及び効力については,当事者が契約当時に選択した地の法を準拠法とし(法の適用に関する通則法7条),他方,選択がないときは,契約当時において契約に最も密接な関係がある地の法が準拠法である(法の適用に関する通則法8条1項)。そして,本件独占的利用許諾権の付与が譲渡と同じ法的性質であると解したとしても,譲渡の原因関係である債権行為については同様に解するのが相当である。

そこで検討するに,本件独占的利用許諾権の付与は,原告Aがハワイ州公証人の面前において自ら署名した宣誓供述書をもって行ったものであり,その相手方である原告会社が同州に所在する会社であることも併せると,アメリカ合衆国ないしハワイ州の法を選択したものと解するのが相当である。

そして,アメリカ合衆国著作権法101条は,「『著作権の移転』とは,著作権または著作権に含まれるいずれかの排他的権利の譲渡,モゲージ設定,独占的使用許諾その他の移転,譲与または担保契約をいい,その効力が時間的または地域的に制限されるか否かを問わないが,非独占的使用許諾は含まない。」と規定するから,本件独占的利用許諾権の付与は同条にいう「著作権の移転」に含まれる。また,同法204条()は,「著作権の移転は,法の作用によるものを除き,譲渡証書または移転の記録もしくは覚書が書面にて作成され,かつ,移転される権利の保有者またはその適法に授権された代理人が署名しなければ効力を有しない。」と規定するが,原告Aは,自ら署名した宣誓供述書をもって,本件独占的利用許諾権を付与したのであるから,本件独占的利用許諾権の付与は効力を有すると解される。

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