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著作権コンサルタントをしています。クリエーターの卵から世界的に著名なアーティストまで、コンテンツビジネスや著作権にかかわる法律問題について、グローバルに支援しています。 カネダ著作権事務所 http://www.kls-law.org/
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2025年7月12日土曜日

Q&A/裁定に係る文書や写真を利用する場合、その一部を切除したり、改変して利用することはできますか?

 

{Q} 裁定に係る文書や写真を利用する場合、その一部を切除したり、改変して利用することはできますか?

A そのような行為は、著作者の同一視保持権を侵害する可能性があります。

文書や写真に限らず,裁定に係る著作物や実演には,著作者人格権(201)や実演家人格権(90条の31)が及びます。すなわち、著作者や実演家には、著作権・著作隣接権とは別に、同一性保持権(201項、90条の31)が与えられているため、著作物やその題号、実演の「変更、切除その他の改変」は原則的に禁止されます。これは、文化庁長官の裁定を係る著作物や実演であっても何ら変わりません。

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Q&A/外国人が権利者であっても裁定を受けることができますか。

 

{Q} 外国人が権利者であっても裁定を受けることができますか。

A はい、できます。

外国人の著作物等であっても,著作物等の利用が日本国内で行われるのであれば,権利者が日本人である場合と同様の手続きを行う必要があり,相当な努力を払っても権利者と連絡することができない場合には,裁定を受けることが可能です。権利者が外国人の場合、権利者と連絡を取ることが困難であることを理由に(権利者と連絡を取るための)「相当の努力」を省くことはできません。つまり、権利者が海外在住のため連絡が取りにくいとか,権利者との交渉に手間がかかるなどといった事情は,その権利者と「連絡することができない場合」に当たらないと考えられます。

なお、日本の著作物を海外で利用する場合には,現地の法律にしたがって権利処理を履行する必要があります。日本の裁定制度を利用して、外国での利用を担保することはできません(文化庁長官の裁定は日本国内で行われる利用行為についてのみ効力が及びます)

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Q&A/「(裁定)申請中利用制度」とは、どんな制度ですか?

 

{Q} (裁定)申請中利用制度」とは、どんな制度ですか?

A 裁定(671)の申請をした者が、文化庁長官が定める額の担保金を供託した場合には、裁定又は裁定をしない処分を受けるまでの間、当該申請に係る利用方法と同一の方法により、当該申請に係る著作物を利用できる制度のことです(67条の21)

この制度を活用することで、裁定結果を待たずに、当該著作物を開始できるメリットがあります。すなわち、著作者不明等の著作物の利用をできるだけ早期に希望する場合で、裁定結果(標準処理期間は概ね2~3か月)が出るのを待っていられない事情があるときに、裁定申請の際に、申請中利用「有り」と申請して、文化庁長官が定めた額の担保金**(1)を供託することで、裁定結果を待たずに、当該著作物を開始できることになります**(2)。こうしたメリットから,現在,ほぼ全ての(裁定)申請で申請中利用制度が活用されています。

 

**(1)「担保金」は、「補償金」そのものではなく、あくまで将来の補償金支払いのための担保という性格のものです。その額は、申請された利用方法に対応して想定される補償金の額に不足が生じないように文化庁長官が定める額となります。

 

**(2)文化庁の解説では、「申請中利用制度では,仮申請から担保金の通知までに目安として3週間の期間を要します。担保金の通知後,直ちに担保金を供託した場合には,仮申請から3週間で利用を開始することができます。」とあります。

 

もっとも、申請中利用制度は、あくまで裁定を受けることを前提としてそれまでの間の暫定的な期間の利用を認める制度であるため、最終的に裁定が認められなかった(裁定をしない処分を受けた)ときには、その時点で、当該著作物の利用を中止しなければなりません。

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Q&A/「著作権者不明等の場合の裁定制度」とは、どのような制度ですか?

 

{Q}「著作権者不明等の場合の裁定制度」とは、どのような制度ですか?

A 著作権者の不明その他の理由により相当な努力を払ってもその著作権者と連絡することができない場合に、文化庁長官が定める額の補償金の供託を条件として、裁定に係る利用方法により著作物の利用を認める制度です。

他人の著作物や実演(歌手の歌唱やバンドの演奏,俳優の演技など),レコード(CD等),放送又は有線放送を利用する場合(出版やDVD販売,インターネット配信などを行う場合)には,原則として,著作権者又は著作隣接権者の許諾を得ることが必要になります。しかし,他人の著作物等の利用を欲する者において権利者の許諾を得ようとしても,「その権利者が誰なのかわからない」,「(権利者が誰なのかはわかっているが)その権利者がどこにいるのかわからない」,「亡くなった権利者の相続人が誰なのか、どこにいるのか不明だ」などといった事情で利用の許諾を得ることができない場合があります。このような場合に,適法に著作物を利用する道を開くために、正当な権利者の許諾に代わって文化庁長官の裁定を受けて,通常の使用料額に相当する補償金を供託することにより,著作物の利用の適法化を図る制度が設けられました。これが「著作権者不明等の場合の裁定制度」です(著作権法67条~70条)

本制度の対象となるのは、権利者若しくは権利者の許諾を得た者により公表(34条参照)され,又は相当期間にわたり公衆に提供・提示されている事実が明らかである著作物(例えば童謡など),実演,レコード,放送,有線放送です(671項,103条)。

上記のような裁定を受けようとする者は、一定の事項を記載した申請書に、著作権者と連絡することができないことを疎明する資料その他を添えて、文化庁長官に提出しなければなりません(673)

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2025年7月11日金曜日

Q&A/ 2026年度から新しい裁定制度がはじまると聞きました。どんな制度ですか?

 

{Q} 2026年度から新しい裁定制度がはじまると聞きました。どんな制度ですか?

A いわゆる「未管理著作物裁定制度」と呼ばれる制度です(新設67条の3)

情報ネットワーク化、デジタル技術等の進展で、誰もがコンテンツを創作して発信し、それを第三者が利用することがますます容易になっています。ネット上には、プロのクリエーターだけでなく、アマチュアを含む一般人が創作したコンテンツが溢れ、それが利用される機会も増えています。また、デジタルアーカイブなど、過去の作品の新たな利用ニーズも増えています。これらのコンテンツの中には、自由に利用できるものや許諾が必要なもの、許諾が要否が不明なものなどが混在しています。

他人のコンテンツ(著作物)を最も安全かつ安心して、すなわち、適法に利用するには、当該コンテンツの権利者と連絡を取ってその権利者から利用の許諾を得ることが大原則です。ところが、ネット上に溢れるコンテンツの中には、利用の可否や著作権者の情報が明らかでないため、権利者と連絡がとれず、必ずしもコンテンツの有効な活用ないし円滑な利用に結び付いていないケースがあります。そこで、権利者の許諾を得て利用するという著作権法の原則は維持しつつも、許諾を得て利用することが困難とされる、著作物等の利用の可否に係る著作権者等の意思が確認できない場合について、著作物等の利用とその対価還元を円滑化する仕組みを整備すべく、「未管理著作物裁定制度」が導入されることとなりました。

この新制度は、未管理公表著作物等であって、著作物等の利用の可否等の著作権者等の意思が確認できない場合などの要件を満たす場合に、文化庁長官の裁定を受け、通常の使用料の額に相当する額を考慮して文化庁長官が定める額の補償金を供託することで、当該裁定の定めるところにより、当該未管理公表著作物等を利用することを可能とするものです。この仕組みは、著作権者等が不明又は不存在であることを前提に長期的な利用を可能とする現行制度(= 著作権者不明等の場合の裁定制度。法67条参照。)と異なり、著作物等の利用の可否に係る著作権者等の意思が確認できない場合に著作物等の利用を可能とするもので、裁定後に著作権者等の申し出によりその意思が確認できた場合には、新たな裁定制度による利用は停止することになります。このように、新たな裁定制度では、著作権者等の意思が確認できない間の時限的な利用のみを認めることで、意思が確認できない場合の利用の停止後は、著作権者等と利用者によるライセンス交渉等に移行することを想定しています。このような仕組みにすることで、著作権者等による利用希望者に対する許諾の機会を奪わずに、新たな利用機会を創出させる点に特徴があります。

 

ここでは、以下、新制度の「対象になるもの」及び「対象にならないもの」について、難解な法律用語(条文の文言)は使わずに、簡易な表現で全体的なイメージだけ概観します(まだ運用がはじまっていないため)

 

未管理著作物裁定制度の対象になるもの(次の①及び②のいずれにも該当するもの)

① 利用ルールや利用の問合せ先の記載がなく、連絡先も明示されていないもの、又は利用ルールや利用についての問合せ先の記載がないが、連絡先があり、利用について問い合わせたところ、14日間応答がなかったもの

② 著作者が利用を廃絶しようとしていることが明らかでないもの(7041号参照)

 

未管理著作物裁定制度の対象にならないもの

× 管理団体による集中管理がされているもの

※集中管理とは、著作権等の管理を行う事業者(著作権等管理事業者として文化庁に登録している者。例えば、JASRAC)が、著作権者等からの委託を受け、著作物等の利用許諾や、徴収した利用料の著作権者等への分配を行うことを意味します。

×「無断転載禁止」「非営利なら許諾不要で自由に利用 OK」など、利用ルールが明記されているもの

×「利用希望の方は〇〇へ」などと利用についての問合せ先が明記されているもの

× 連絡先があり、利用について連絡したところ応答があったものなど

 

新制度は著作権者にメリットがあるのか?

利用希望者が申請し裁定されたことが広く公表されるため、これまで気づかれていなかった自身の作品の有償でのニーズに気づくことができます(自身の作品について埋もれていた価値の再発見)。また、裁定により自分の作品が利用されたことに気づいた場合でも、後から利用料を受け取ることもできます(裁定による利用者は、利用の対価として、通常の一般的な相場の利用料に相当する額の補償金を支払う必要があり、著作権者はこの補償金から利用料を受け取ることができます)。この点、当該補償金は国が指定した機関等が利用者から事前に預かるため、利用料が支払われないといった不払いのリスクはありません。さらに、利用希望者と改めて直接交渉をして、新規ライセンス契約につなげることも可能です。

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2025年7月8日火曜日

Q&A/外国で適法に発売された音楽CDを(安く)買い付けて、日本国内で販売しようと考えています。何か問題はありますか?

 

{Q} 外国で適法に発売された音楽CDを(安く)買い付けて、日本国内で販売しようと考えています。何か問題はありますか?

A 基本的には問題ありませんが、いわゆる「音楽レコード(CD)の還流防止措置」に注意してください。

音楽CDの著作権者は、その複製物の譲渡により公衆に提供する権利(譲渡権)を専有しています(26条の21)が、国外において適法に譲渡された当該複製物には譲渡権は及ばない(譲渡権は消尽した)もととされています(同条25号参照)。したがって、外国で適法に販売された音楽CDであれば、それを国内で販売する目的で輸入することは、基本的には問題ありません。ただし、平成16年法改正により新たに導入された、いわゆる「音楽レコード(CD)の還流防止措置」(11310)については注意が必要です。外国で適法に発売された音楽CDを国内に輸入し販売する行為については、一定要件の下で、著作権等を「侵害する行為」とみなされるからです。ここでは、詳しい要件解説は割愛しますが、輸入しようとする音楽CDに「日本への輸出を禁止します」と印刷して場合には、当該還流防止措置が適用される可能性がありますので、注意してください。

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2025年7月7日月曜日

Q&A/著作者の名誉を害する方法による著作物の利用行為は著作者人格権を侵害する行為とみなされると聞きました。どんな行為がこのみなし侵害にあたりますか?

 

{Q} 著作者の名誉を害する方法による著作物の利用行為は著作者人格権を侵害する行為とみなされると聞きました。どんな行為がこのみなし侵害にあたりますか?

A 著作権法113(侵害とみなす行為)の第11項に「著作者の名誉又は声望を害する方法によりその著作物を利用する行為は、その著作者人格権を侵害する行為とみなす」と規定されています。

つまり、本来的な著作者人格権である3つの権利すなわち公表権(181項)、氏名表示権(191項)、同一性保持権(201項)のいずれも侵害しない場合であっても、著作者の社会的評価を低下させる方法によって、あるいは、著作物の芸術的価値を著しく損なうような形で著作物を利用する行為等は、著作者の人格的利益を実質的に損なうことになることから、そのような利用行為を侵害行為とみなしているものです。例えば、荘厳な楽曲を卑猥な踊りに合わせて演奏する行為や芸術的な絵画を性風俗店の看板に使う行為などは、おそらくそのような利用行為に該当するものと思われます。

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2025年6月22日日曜日

Q&A/わが社のゲームソフトの海賊版が、わが社と取引関係にない商社の倉庫に大量に保管されている事実を突き止めました。その商社に対し著作権を主張できますか?

 

{Q} わが社のゲームソフトの海賊版が、わが社と取引関係にない商社の倉庫に大量に保管されている事実を突き止めました。その商社に対し著作権を主張できますか?

A 問題の商社が海賊版(侵害品)であることを知っていて、販売するために又は業として輸出するために倉庫に保管しているのであれば、著作権侵害を主張できます。

著作権法には「侵害とみなす行為」というのがあって、本来的・形式的には、著作権を侵害する行為(著作物の利用行為)に当たらないが、著作権者の経済的利益を実質的に害することとなる一定の類型に属する行為について、これを(本来的な)著作権の侵害行為とみなして扱おうとするものです(113条参照)。このような「侵害とみなす行為」の類型に1つに次のような「所持」行為が規定されています:著作権を侵害する行為によって作成された物(違法に輸入された侵害品(海賊版)を含む。)を、情を知って、頒布(譲渡や貸与)の目的をもって「所持する行為」、又は侵害品(海賊版)を業としての輸出の目的をもって「所持する行為」は、当該著作権を侵害する行為とみなす(11312)

ここで、「情を知って」とは、一般的には、権利を侵害する行為によって作成された物であることを知りつつ(認識しつつ)、という意味です。「所持する」とは、支配の意思をもって、財物を事実上自己の支配下に置く状況をいいます(ご質問の保管はこの意味で「所持」に該当します。)。「業として」とは、反復継続して、という意味です。

よって、以上の要件が立証できれば、著作権侵害を主張することが可能です。

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Q&A/わが社のゲームソフトの海賊版がある店で格安で販売されています。そのお店に対して著作権侵害を主張できますか?

 

{Q} わが社のゲームソフトの海賊版がある店で格安で販売されています。そのお店に対して著作権侵害を主張できますか?

A その店が海賊版であることを知っていれば、著作権侵害を主張できます。

著作権法には「侵害とみなす行為」というのがあって、本来的・形式的には、著作権を侵害する行為(著作物の利用行為)に当たらないが、著作権者の経済的利益を実質的に害することとなる一定の類型に属する行為について、これを(本来的な)著作権の侵害行為とみなして扱おうとするものです(113条参照)。このような「侵害とみなす行為」の類型に1つに次のような「頒布」行為が規定されています:著作権を侵害する行為によって作成された物(海賊版)を、情を知って、頒布する行為は、当該著作権を侵害する行為とみなす(11312)

ここで「頒布」とは、「譲渡(有償無償を問わない)」と「貸与」を含む概念ですので(2119)、「販売」行為は、「頒布」に該当します。「情を知って」という要件が重要です。よって、店が侵害品(海賊版)であるとの事情を知った上で販売していることを立証できれば、著作権侵害を主張できます。

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Q&A/わが社のゲームソフトの海賊版が大量に輸入されていることがわかりました。輸入業者に対して著作権を主張できますか? 輸出業者に対してはどうでしょうか?

 

{Q} わが社のゲームソフトの海賊版が大量に輸入されていることがわかりました。輸入業者に対して著作権を主張できますか? 輸出業者に対してはどうでしょうか?

A 輸入業者に対しては著作権侵害を主張できますが、輸出業者に対しては直接著作権侵害を主張することはできません。

著作権法には「侵害とみなす行為」というのがあって、本来的・形式的には、著作権を侵害する行為(著作物の利用行為)に当たらないが、著作権者の経済的利益を実質的に害することとなる一定の類型に属する行為について、これを(本来的な)著作権の侵害行為とみなして扱おうとするものです(113条参照)。このような「侵害とみなす行為」の類型に1つに次のような「輸入」行為が規定されています:国内において頒布(譲渡や貸与)する目的をもって、輸入の時において国内で作成したとしたならば著作権の侵害となるべき行為によって作成された物を「輸入する行為」は、当該著作権を侵害する行為とみなす(11311)

ご質問の「ゲームソフトの海賊版の輸入」は、上記の該当するものと解されますので、輸入者に対しては、著作権侵害を主張する(具体的には海賊版の差押え等の措置をとる)ことが可能です。なお、この場合、「侵害とみなされる行為」を行ったのは海賊版(侵害物)を「輸入」した者であって、侵害物を輸出した者や侵害物を複製した者ではありませんのは、彼らに対して直接著作権侵害を主張することはできません。

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2025年6月21日土曜日

Q&A/「著作者人格権の一身専属性」は何ですか?

 

{Q} 「著作者人格権の一身専属性」は何ですか?

A 「著作者人格権の一身専属性」とは、著作者人格権が「著作者の一身に専属し、譲渡することができない」という性質のことです。

著作権法59条に、「著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない。」との規定があります。これが「著作者人格権の一身専属性」を規定した条文です。少々難しい表現を使うと、著作者人格権というのは、その性質上、一身専属権であること、及び不可譲渡性の権利であることを定めています。

上の規定からもわかるように、著作者人格権は、著作者の人格的利益と深く結びついているため、著作者の死亡によってそれと同時に消滅し、また、相続の対象となることもありません。この点で、著作者の財産的利益を保護する「著作権」が、著作者の死後も存続期間が継続すること、また、相続や売買の対象となりうることと異なります。

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2025年6月19日木曜日

Q&A/AIを利用してイラストなどの画像を生成した場合、著作権侵害となりますか?

 

{Q} AIを利用してイラストなどの画像を生成した場合、著作権侵害となりますか?

A 既存の著作物との「同一性又は類似性」並びに「依拠性」が認められれば、原則として、当該既存の著作物の著作権を侵害することになります。

「著作権侵害」というのは、既存の著作物に「依拠」し、これと「同一性又は類似性」のある作品を著作権者に無断で複製等することによって生ずるものでする(昭和5397日最高裁判所第一小法廷[昭和50()324]参照)。この大原則は、AIを利用してイラストなどの画像を生成した場合にも当てはまります。つまり、AIを利用してイラストなどの画像を生成(複製)したり、生成したイラストなどの画像をアップロード等する行為に関して、そのような行為が既存の著作物の著作権を侵害するかどうかは、通常の場合(例えば、人が手書きやパソコンを使ってイラストを描く場合)と同じように判断されます。

 

AI生成物に、既存の著作物との「同一性又は類似性」並びに「依拠性」が認めらない場合、既存の著作物の著作権侵害とはならず、著作権法上は著作権者の許諾なく自由に利用することが可能です。

一方、AI生成物に、既存の著作物との「同一性又は類似性」並びに「依拠性」が認められる場合、そのようなAI生成物を利用する行為は、原則として、つまり、権利者から許諾を得て利用する場合や、利用許諾が不要な権利制限規定が適用される場合**を除いて、著作権侵害となります。

**() 例えば、私的に鑑賞するため画像等を生成する行為は、「私的使用のための複製」(301)に該当し、著作権者の許諾なく行うことが可能です。

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なお、AI生成物の「依拠性」をどのように考えるかについては目下いろんな議論がありますが、依拠性の有無は、最終的には裁判所により個別の事案(作品)ごとに判断されることになります。

Q&A/ある小説から脚本を作成し、それを映画化する場合、その小説家と脚本家の両方の許諾が必要ですか?

 

{Q} ある小説から脚本を作成し、それを映画化する場合、その小説家と脚本家の両方の許諾が必要ですか?

A はい、そのとおりです。

例えば、小説Aを「脚色」して脚本Bが作成された場合、脚本Bは、もとの小説Aを原著作物とする「二次的著作物」となります(2111)。二次的著作物も著作物ですから、脚本Bの映画化を欲する者は、当然、その著作者(脚本家)の許諾を得なければなりません(27)。ところで、脚本Bの原作となった小説Aの著作者(小説家)が、映画化についてどのような権利を持つかについて、著作権法は、次のように規定しています:二次的著作物の原著作物の著作者(=脚本Bの原作となった小説Aの小説家)は、当該二次的著作物(=脚本B)の利用(=映画化)に関し、当該二次的著作物の著作者(脚本Bの脚本家)が有するものと同一の種類の著作権(=ここでは、脚本Bの映画化権)を専有する(28)。したがって、脚本Bを映画化する場合には、脚本Bの脚本家だけでなく、その原作である小説Aの小説家の許諾も得ておくことが必要になります。

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Q&A/「二次的著作物の創作権」とはどんな権利ですか?

 

{Q} 「二次的著作物の創作権」とはどんな権利ですか?

A 二次的著作物の創作権とは、著作権の1つで、二次的著作物を創作する権利のことです。

著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有します(27)。ここで、「二次的著作物」とは、「著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する」ことにより創作した著作物を意味します(2111)。つまり、著作者は、二次的著作物を創作する権利を専有するのです。「専有」というのは、他者を排して、自分だけが独占的に(権利を)有する、という意味です。二次的著作物の創作権()は、著作者が原始的に有する排他独占的権利です。

() ここでは「二次的著作物の創作権」と呼んでいますが、実務では、「翻案権等」又は単に「翻案権」と呼ぶことが多いです。

例えば、日本語のある小説Aを英語に「翻訳」して出版することを望む者は、小説Aの著作者(原作者=原著作者)の許諾を得なければなりません。無断で翻訳すると、原則として、小説Aの著作者の翻案権(二次的著作物の創作権)を侵害することになります。

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Q&A/お店で購入したゲームソフトを転売することは、頒布権の侵害になるのですか?

 

{Q} お店で購入したゲームソフトを転売することは、頒布権の侵害になるのですか?

A あなたがお店で購入したゲームソフトが「適法に」市場に出されたものであれば、それを転売しても頒布権の侵害には当たりません(自由に転売できます)

「頒布権」(261)は「映画の著作物」にのみ認められる権利ですが、これは、「譲渡権」(26条の2)や「貸与権」(26条の3)よりも強力な権利であると言うことができます。このような取扱いの背景には、いわゆる配給制度の慣行のあった劇場用映画が念頭にあります。そのため、「頒布権」の中の「譲渡」に関する部分には、通常の「譲渡権」に適用される「消尽理論」(譲渡権は著作物の複製物がいったん適法に譲渡された後は消滅するという法理)も適用されない(つまり、劇場用映画の頒布権は消尽しない)と解されます。ところが、劇場用映画以外の映画の著作物の複製物、例えば、市販のホームビデオやDVD、ゲームソフトなどについては、いったん適法に販売(譲渡)された後(市場に出回った後)にそれがさらに中古市場で転売されても、それ自体「公衆に提示することを目的」として転売されているわけではないことや、市場における商品の円滑な流通を確保すること等の観点から、そのような映画の著作物の転売には頒布権は及ばない(頒布権が消尽する)との判例(最高裁の判断)があります。

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Q&A/それでは、映画の中で使われている主題歌やBGMに頒布権は認められるのですか?

{Q} それでは、映画の中で使われている主題歌やBGMに頒布権は認められるのですか?

A はい、認められます。

著作者は、映画の著作物において複製されているその著作物を当該映画の著作物の複製物により頒布する権利を専有する、と規定されています(262)。つまり、例えば、映画の主題歌やBGMとして収録されている音楽、映画の1シーンに登場する絵画や写真の著作物などの著作者も、その著作物を、それを収録(複製)している映画の著作物と一体的に頒布する権利を専有することになります。したがって、映画の著作物を「頒布」したい場合には、その映画の著作物の著作者(著作権者)の許諾だけでなく、その中に収録(複製)されている著作物の著作者(著作権者)の許諾も得ておかなければなりません。

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Q&A/「頒布権」とはどんな権利ですか?

 

{Q} 「頒布権」とはどんな権利ですか?

A 頒布権とは、著作権の1つで、映画の著作物を、その複製物により頒布する権利のことです。

著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利を専有します(261)。「専有」というのは、他者を排して、自分だけが独占的に(権利を)有する、という意味です。つまり、頒布権は、著作者が原始的に有する排他独占的権利です()

() 「映画の著作物」については、その特殊性と歴史的な経緯から、「著作者」と「著作権者」とが当初から別人になる場合があります(つまり、著作者人格権と、頒布権を含めた著作権が当初から別人に帰属することになる)ので、この点は注意を要します(16条及び291項参照)

「頒布」ということばに意味については、別途定義規定(2119)が置かれていて、それによると、「頒布」とは、有償無償を問わず、複製物を公衆に「譲渡」し又は「貸与」することをいい、映画の著作物にあっては、「公衆に提示することを目的」として映画の著作物の複製物を譲渡し又は貸与することを含むとしています。つまり、著作権法上の「頒布」というのは、公衆向けの(不特定の者又は特定多数の者への)「譲渡」と「貸与」を含み、さらに、映画の著作物にあっては、譲渡や貸与の相手方が「公衆」でない場合(特定少数である場合)でも、それが「公衆向けに上映することを目的」としているときには「頒布権」が及ぶことになります。このように、映画の著作物にのみ認められている「頒布権」は、「譲渡権」(26条の2)や「貸与権」(26条の3)よりも「強力な権利」であると言うことができます。

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Q&A/「貸与権」とはどんな権利ですか?

 

{Q} 「貸与権」とはどんな権利ですか?

A 貸与権とは、著作権の1つで、著作物を、その複製物の貸与により公衆に提供する権利のことです。

著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。)をその複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあっては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供する権利を専有します(26条の3)。「専有」というのは、他者を排して、自分だけが独占的に(権利を)有する、という意味です。つまり、貸与権は、著作者が原始的に有する排他独占的権利です。

貸与権は、映画の著作物を除くすべての著作物について認められる権利です()。したがって、レコード、CD、書籍、コミック、雑誌、パソコンソフトなど、映画の著作物以外のすべての著作物が貸与権の対象となります。

() 映画の著作物が貸与権の対象から除かれているのは、映画の著作物については貸与権を含む「頒布権」(26条参照)が認められているからです。

ここで、「貸与」には、「いずれの名義又は方法をもってするかを問わず、これと同様の使用の権原を取得させる行為を含む」とされています(28)。例えば、次のような行為は、通常、「貸与」に該当するものと解されます:

〇 レンタルCDショップが利用者にCDを売却し、数日後に一定の買戻し料(実質的にはレンタル料)を差し引いて買い戻す行為。

〇 会員組織にしてCDを共同購入したという形をとり、会員はレンタル料程度の会費を主催者であるレンタルCDショップに支払う行為。

なお、貸与権は、「公衆に」貸与する際に問題となる権利ですので、「特定少数の人」へ貸し出す場合には、貸与権は働きません。

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Q&A/お店で購入した本や音楽CDを転売することは、譲渡権の侵害になるのですか?

 

{Q} お店で購入した本や音楽CDを転売することは、譲渡権の侵害になるのですか?

A あなたがお店で購入した本や音楽CDが「適法に」市場に出されたものであれば、それを転売しても譲渡権の侵害には当たりません(自由に転売できます)

著作者は、その著作物の原作品又は複製物を公衆に譲渡する権利(譲渡権)を専有する(26条の21)のですが、その原作品又は複製物が、例えば、著作者(著作権者)の許諾を得て市場に出された(公衆に提供された)ものであるような場合には、その後の譲渡(転売など)には譲渡権が及ばないことになっています(26条の12項各号参照)。このように、「いったん適法に譲渡された著作物の原作品又は複製物について、その後さらにそれを公衆に譲渡する行為に譲渡権は及ばない」という考え方を、少々難しい用語で恐縮ですが、「譲渡権の消尽」(ファースト・セール・ドクトリン(the first sale doctrine)と呼んでいます。譲渡権の消尽の理論は、国際的にも了解されているのですが(WIPO著作権条約6(2)参照)、その趣旨は、商品取引の安全と円滑な流通の確保にあると言えます。もっとも、譲渡権が消尽したか否かは、あなたが購入した商品(本や音楽CD)の11つについて判断されるので、ある商品について譲渡権が消尽したからといって、いまだ適法に公衆への譲渡が行われていない別の(同種の)商品について自動的に譲渡権が消尽するものではありません。注意してください。

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Q&A/「譲渡権」とはどんな権利ですか?

 

{Q} 「譲渡権」とはどんな権利ですか?

A 譲渡権とは、著作権の1つで、著作物を、その原作品又は複製物の譲渡により公衆に提供する権利のことです。

著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。)を、その原作品又は複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあっては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の譲渡により公衆に提供する権利を専有します(26条の21)。「専有」というのは、他者を排して、自分だけが独占的に(権利を)有する、という意味です。つまり、譲渡権は、著作者が原始的に有する排他独占的権利です()

()「映画の著作物」について譲渡権が適用されないのは、映画の著作物については譲渡権を含む「頒布権」(26条参照)が認められているからです。

譲渡権が創設されたのは、主として、著作者に無断で海賊版を大量に作った侵害者が、これを全部、事情を知らない第三者に一括して転売してしまったような場合に、海賊版作成者ではないその第三者による販売(転売)を差し止められるようにするためです。したがって、著作者の許諾を得るなどして「いったん適法に譲渡されたもの」については、譲渡権は働かないことになります(このような考え方を「譲渡権の消尽」と呼んでいます)。法26条の22項各号は、この「譲渡権の消尽」を条文化したものです。

なお、譲渡権は、「公衆に」譲渡する際に問題となる権利ですので、「特定少数の人」へのプレゼントのような場合には、譲渡権は働きません。

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