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著作権コンサルタントをしています。クリエーターの卵から世界的に著名なアーティストまで、コンテンツビジネスや著作権にかかわる法律問題について、グローバルに支援しています。 カネダ著作権事務所 http://www.kls-law.org/
ラベル Q&A{著作隣接権} の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2025年9月7日日曜日

Q&A/俳優としてある映画で出演しました。私の実演(演技)に関して、著作隣接権は私にあるのですか?

 

{Q} 俳優としてある映画で出演しました。私の実演(演技)に関して、著作隣接権は私にあるのですか?

A その映画の中で実際に演技(実演)を披露したあなたに、当該演技に関する著作隣接権が発生していますが、その映画の増製プリントを作成したり、その映画の二次利用(DVD化やテレビ放送、ネット配信など)の場面のほとんどで、あなたの著作隣接権は働かないと考えてください。

俳優(実演家)であるあなたは、自己の演技(実演)について、著作隣接権(録音権・録画権、放送権・有線放送権、送信可能化権、譲渡権等)を有していますが、いわゆる「ワンチャンス主義」の考え方(ローマ条約19)の下、ひとたび実演家の了解(許諾)を得て実演(演技)が映画に録音録画されると、以後はその映画(実演)の利用については原則として著作隣接権が働かないことになっています(912項、922項、92条の22項等)。このような例外的な制度が設けられた趣旨は、多数の実演家が出演する映画についてその利用の円滑化を図るためと言われています。したがって、映画の出演する実演家が自分の正当な利益を確保するためには、映画製作者との最初に交渉段階で(映画への出演を了解する際に)、出演契約書に、その後の映画の二次利用を見込んだ、追加の報酬等に関する条項を取り決めて、落とし込んでおくことが重要になります。

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Q&A/俳優をしています。自分が出演した映画をネットで配信する場合、私の権利は及びますか?

 

{Q} 俳優をしています。自分が出演した映画をネットで配信する場合、私の権利は及びますか?

A 映画に出演しているあなた(実演家)の権利(著作隣接権)は、当該映画をネットで配信する場合に及びません。

著作権法は、実演家にその実演を「送信可能化」(例:インタ-ネットにアップロ-ド)する権利を認めています(第92条の2)。しかし、映画には多数の実演家が出演することから、利用許諾手続の円滑化を図るために、実演家の了解を得て一旦映画に固定(録音・録画)された実演に関しては、その後の当該映画の二次利用(DVD化や放送、ネット配信など)について著作隣接権(録音録画権、放送権、送信可能化権)が働かないと定めています(912項、922項、92条の2・2項)。したがって、実演家としては、自己の利益を確保するために、当該映画の二次利用に対する追加の報酬等について、最初の出演契約の際に映画製作者とつめておくことが必要になります。

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Q&A/舞台演出家をしている者です。私の演出は著作権法で保護されるのですか?

 

Q}舞台演出家をしている者です。私の演出は著作権法で保護されるのですか?

A あなたの演出は、著作権法上、「著作隣接権」によって保護されます。

一般的に舞台は、言語著作物である「脚本(台本)」を役者が「演劇的に演じ、舞う」ことによって成立するものです。

著作権法では、「著作物を、演劇的に演じ、舞うこと」を「実演」と定義して、「俳優」や「舞踊家」など「実演を行う者」を「実演家」と呼んでいます(213号・4号参照)。そして、この「実演家」には、さらに「実演を演出する者」つまり演出家を含めて捉えています。

演出家は、役者(俳優)のように自身で演技をしているわけではありませんが、演技を演出して演技者に演技をさせている者であることから、著作権法上は、演技者と同じように実演家として保護されているわけです。

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2025年9月6日土曜日

Q&A/著作隣接権の存続期間について教えてください。

 

{Q} 著作隣接権の存続期間について教えてください。

A:承知しました。

著作隣接権(89条参照)の存続期間を考える場合には、著作権の存続期間を考える場合と同じように、権利が「いつ始まる」のか、そして「いつ終わる」のかに注目してください。

 

著作隣接権が「始まる」時

著作隣接権の存続期間は、次に掲げる時に始まります(1011項各号)。

① 「実演」(213号)に関しては、その「実演を行った時」

② 「レコード」(215号)に関しては、その「音を最初に固定した時」

③ 「放送」(218号)に関しては、その「放送を行った時」

④ 「有線放送」(219号の2)に関しては、その「有線放送を行った時」

 

著作隣接権が「終わる(満了する)」時

著作隣接権の存続期間は、次に掲げる時をもって満了します(1012項各号)。

① 「実演」→その実演が行われた日の属する年の翌年から起算して70年を経過した時。

② 「レコード」→その「発行が行われた日」の属する年の翌年から起算して70年を経過した時。もっとも、その音が「最初に固定された日」の属する年の翌年から起算して70年を経過する時までの間に発行されなかつたときは、その音が「最初に固定された日」の属する年の翌年から起算して70年を経過した時に満了します。

③ 「放送」→その放送が行われた日の属する年の翌年から起算して50年を経過した時。

④ 「有線放送」→その有線放送が行われた日の属する年の翌年から起算して50年を経過した時。

 

具体例(「実演」の場合)

202011日に行われた実演については、同日から保護が始まり、2021年(の11日)から起算して70年後の2090年の1231日まで保護されることになります。

20201224日に行われた実演については、同日から保護が始まり、2001年(の11日)から起算して70年後の2090年の1231日まで保護されることになります。

 

以上のようにして著作隣接権が満了した後は、その目的となっていた「実演」・「レコード」・「放送」・「有線放送」は、いわゆる「パブリックドメイン」に帰し、社会全体の共有財産となります(誰でも自由にこれらを利用することができるようになります)(1)

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2025年7月2日水曜日

Q&A/「レコード製作者」とは、レコード会社のことですか?

 

{Q} 「レコード製作者」とは、レコード会社のことですか?

A 一般的にはそうですが、著作権法上の「レコード製作者」は、レコード会社に限りません。

著作権法上の「レコード製作者」とは、「レコードに固定されている音を最初に固定した者」のさします(2条1項6号)

典型的には、楽曲を最初に録音した「原盤」の製作者が「レコード製作者」に当たります。したがって、誰かが最初に固定した音を増製しただけの者、例えば、原盤の提供を受けてリプレスしたに過ぎない者や「商業用レコード」(217号参照)の製作者は、「レコード製作者」ではありません。

一方、「音を最初に固定した者」は、自然人であると法人(会社など)であるとを問いません。さらに、音を固定することを業としている者である必要もありません(プロアマを問いません)。例えば、演奏会や講演会の内容をテープやレコーダー等に最初に固定(録音)した一般の聴衆も、著作権法上は、「レコード製作者」に当たります。アマチュア演奏家が自分で作曲した楽曲を自分で録音テープなどに録音すれば、そのアマチュア演奏家は、その楽曲を創作した著作者(著作権者)、その楽曲を演奏した実演家としてだけではなく、「レコード製作者」としても保護されることになるのです。

(参考)「レコード製作者」の意義に関し、ローマ条約では、「実演その他の音を最初に固定する自然人又は法人」(同条約3(c))を意味するとしているのに対し、WIPO実演及びレコード条約では、「実演その他の音又は音を表すものを最初に固定することを主導し、かつ、それに対して責任をもつ(takes the initiative and has the responsibility for the first fixation)自然人又は法人」(同条約2(d))を意味するとしている点は、興味深いところです。

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Q&A/「レコード製作者」とは誰を指すのですか?

 

{Q047} 「レコード製作者」とは誰を指すのですか?

A 「レコード製作者」とは、「レコードに固定されている音を最初に固定した者をいう」(2条1項6号)と定義されています。

著作権法上の「レコード製作者」とは、レコード(“有体物に収まっている音の存在”というイメージ)に固定されている音を「最初に」固定した者のことです。典型的には、楽曲を最初に録音した「原盤」の製作者が「レコード製作者」に当たります。もっとも、「レコード」に固定される「音」については、著作物に限りませんので、波の音や、小鳥や虫の鳴き声など自然界に存在する音や、著作物としては創作性に疑義がある短い効果音、AIが生成した人工的な音でも、これらの音を「最初に」何らかの物(有体物)に固定(録音)すれば、その者が、その「レコード」の「レコード製作者」ということになります。

() 映画のサウンドトラックから音(だけ)を取り出していわゆるサントラ盤レコードが製作される場合、そこに固定された音は、「レコード」に当たります。

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Q&A/音楽コンサートの様子をビデオに収録したものは、「レコード」に当たりますか?

 

{Q} 音楽コンサートの様子をビデオに収録したものは、「レコード」に当たりますか?

A そのような録画テープの音は、「レコード」に当たりません。

著作権法上の「レコード」は、録音テープなどの「物に音を固定したもの」(“有体物に収まっている音の存在”というイメージ)です(215)。その意味では、音楽コンサートの様子を収録したビデオのなかの音(楽曲)も「レコード」に当たりそうですが、著作権法は、「音を専ら影像とともに再生することを目的とするもの」を「レコード」から除外しています(215号参照)。そのため、音楽コンサートの様子をビデオに収録したものは、「レコード」としては保護されないのです。

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Q&A/波の音や、小鳥や虫の鳴き声など、著作物でない音を録音テープなどに収録したものも「レコード」に当たりますか?

 

{Q} 波の音や、小鳥や虫の鳴き声など、著作物でない音を録音テープなどに収録したものも「レコード」に当たりますか?

A はい、「レコード」に当たります。

著作権法上の「レコード」は、録音テープなどの「物に音を固定したもの」(“有体物に収まっている音の存在”というイメージ)です(215)。ここでは、その「音」の内容如何は問いません。つまり、楽曲や講演などの著作物に限りません。波の音や、小鳥や虫の鳴き声など自然界に存在する音や、著作物としては創作性に疑義がある短い効果音、AIが生成した人工的な音でも、これらが何らかの「物」(有体物)に「固定」(録音)されると、その時点でその「音」は「レコード」になります。

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Q&A/「レコード」とは、音楽CDのことですか?

 

{Q} 「レコード」とは、音楽CDのことですか?

A 音楽CDは、著作権法上の「レコード」ではありません。

著作権法には、「レコード」について、定義規定が設けられています。それによると、「レコード」とは、「蓄音機用音盤、録音テープその他の物に音を固定したもの(音を専ら影像とともに再生することを目的とするものを除く。)をいう」(2条1項5号)とあります。一方、「商業用レコード」という用語についても定義規定があり、それによると、「市販の目的をもって製作されるレコードの複製物をいう」(2条1項7号)とされています。

つまり、著作権法上の「レコード」とは、「物に音を固定したもの」(「固定」は「録音」と考えて差し支えありません。)であって、音楽CD(昭和の時代の)レコード盤、録音テープ、ボイスレコーダー、オルゴールなど、「音を固定した物」ではありません。そのような「物」(有体物)に収録されている「音の存在」という概念が著作権法上の「レコード」に当たります。“有体物に収まっている音の存在”というイメージです。

なお、「レコード」にかかる「物」の種類は問いません。音が収録(固定)されていれば、例えば、パソコンやスマホの記録媒体に固定されている音も「レコード」になり得ます。そして、その(最初の)音を「市販の目的をもって」複製(コピー)したものが「商業用レコード」ということになります。市販されている音楽CDは、著作権法上は、「商業用レコード」に当たります。

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Q&A/実演家人格権侵害罪(119条2項1号)の時効期間はどのくらいですか?

 

{Q} 実演家人格権侵害罪(11921)の時効期間はどのくらいですか?

A 実演家人格権侵害罪の公訴時効は、犯罪行為が終わった時から起算して5年です。

実演家人格権を侵害した者は、「5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と規定されています(11921)。「10年未満の懲役に当たる罪」についての公訴時効は「5年」で(刑事訴訟法25025)、この5年は、「犯罪行為が終った時」から進行します(同法253条1項)

なお、実演家人格権侵害罪は、「親告罪」ですので(1231)、「犯人を知った日から6箇月」以内に告訴をしなければ、原則として、その後は告訴できないことになります(刑事訴訟法235条参照)。注意してください。

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Q&A/他人の実演家人格権を侵害した場合、刑事罰に問われるのですか?

 

{Q} 他人の実演家人格権を侵害した場合、刑事罰に問われるのですか?

A 実演家人格権等の侵害には「罰則」(著作権法119条以下)が設けられていて、一定の要件の下で、刑事罰が科せられます。

著作権法上の罰則規定によれば、実演家人格権を侵害した者は、「5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と規定されています(11921)

実演家人格権侵害罪も「犯罪」ですので、犯罪の一般的な成立要件として、行為者(侵害者)の「故意」(罪を犯す意思)が必要になります(刑法38条参照)。そのため、著作者人格権侵害罪が成立するためには、行為者(侵害者)に故意の存することが要件となります。一方、法律(著作権法)を知らなかったとしても、「そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない」とされています(同条3)

なお、実演家人格権侵害罪は、「告訴がなければ公訴を提起することができない」、つまり、親告罪です(1231)

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Q&A/著作権法101条の3について、もう少し教えてください。

 

{Q} 著作権法101条の3について、もう少し教えてください。

A 承知しました。

著作権法101条の3は、「実演家の死後における人格的利益の保護」について、次のように規定しています:

「実演を公衆に提供し、又は提示する者は、その実演の実演家の死後においても、実演家が生存しているとしたならばその実演家人格権の侵害となるべき行為をしてはならない。ただし、その行為の性質及び程度、社会的事情の変動その他によりその行為が当該実演家の意を害しないと認められる場合は、この限りでない。」

実演家人格権は、実演家の死亡とともに消滅するため(101条の2)、実演家の死後におけるその人格的利益の保護を担保するため、本条が設けられています。

「実演家が存しているとしたならばその実演家人格権の侵害となるべき行為」とは、「氏名表示権」(90条の21項)、「同一性保持権」(90条の31項)を侵害する行為のみならず、法113条(1項・8項)に該当して「侵害とみなされる行為」を含むと解されます。

ただし書き中「行為の性質」とは、「実演家人格権の侵害となるべき行為」が主体的か、付随的か、また、その行為が積極的か、消極的かということを意味し、「行為の程度」とは、「実演家人格権の侵害となるべき行為」によって作成された侵害複製物の部数やその頒布領域、当該侵害行為の頻度等を意味すると解されます。「社会的事情の変動」とは、社会的価値観の変化や社会的制度の推移等を意味しています。

なお、実演家の死後においてその人格的利益を侵害する行為は「犯罪」であると捉えられており、本条に違反した場合には、刑事罰として罰金(500万円以下の罰金」」)が科せられます(120/非親告罪(123条参照))

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Q&A/実演家が死んだら、実演家人格権はどうなるのですか?

 

{Q} 実演家が死んだら、実演家人格権はどうなるのですか?

A 実演家人格権は消滅しますが、実演家の人格的利益は、一定要件の下で、守られます。

実演家人格権は、実演家の死亡とともに消滅する(101条の2)のですが、実演家の死後においても、一定要件の下で、その人格的利益の保護が図られています。具体的には、次の規定が用意されています:

〇実演家の死後における人格的利益の保護(101条の3)

「実演を公衆に提供し、又は提示する者は、その実演の実演家の死後においても、実演家が生存しているとしたならばその実演家人格権の侵害となるべき行為をしてはならない。ただし、その行為の性質及び程度、社会的事情の変動その他によりその行為が当該実演家の意を害しないと認められる場合は、この限りでない。」

〇実演家の死後における人格的利益の保護のための措置(116)

「…実演家の死後においては、その遺族(死亡した…実演家の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹をいう。以下この条において同じ。)は、当該…実演家について…第1013の規定に違反する行為をする者又はするおそれがある者に対し第112[注:差止請求権]の請求を、故意又は過失により…実演家人格権を侵害する行為又は…第101条の3の規定に違反する行為をした者に対し前条[注:名誉回復等の措置]の請求をすることができる。」(1)

(23項略)

ここでは詳細な解説は避けますが、次の点は、よく覚えておいてください:

▶実演家人格権は実演家の死亡とともに消滅するが、法101条の3及び法116条の規定によって、実演家の死後におけるその人格的利益の保護は、実演家の死亡後も相当長期にわたって続く。

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Q&A/「実演家人格権の一身専属性」は何ですか?

 

{Q} 「実演家人格権の一身専属性」は何ですか?

A 「実演家人格権の一身専属性」とは、実演家人格権が「実演家の一身に専属し、譲渡することができない」という性質のことです。

著作権法101条の2に、「実演家人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない。」との規定があります。これが「実演家人格権の一身専属性」を規定した条文です。少々難しい表現を使うと、実演家人格権というのは、その性質上、一身専属権であること、及び不可譲渡性の権利であることを定めています。

上の規定からもわかるように、実演家人格権は、実演家の人格的利益と深く結びついているため、実演家の死亡によってそれと同時に消滅し、また、相続の対象となることもありません。この点で、実演家の財産的利益を保護する「著作隣接権」が、実演家の死後も存続期間が継続しうること、また、相続や売買の対象となりうることと異なります。

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Q&A/なぜ、実演家には「公表権」が認められていないのですか?

 

{Q} なぜ、実演家には「公表権」が認められていないのですか?

A 実演が、公衆への著作物等の伝達行為(公表)を前提としているからです。

著作者は、著作者人格権の1つとして、その著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、又は提示する権利(公表権)を有しています(181)。一方、「実演家人格権」として実演家に認められるのは、氏名表示権と同一性保持権のみです。つまり、実演家については、著作者人格権の中の公表権に相当する権利が規定されていません。これは、実演というのは、その性質上、公衆への著作物等の伝達行為(公表)を前提とする(実演家は、その実演を公衆に提供・提示してはじめて人格的又は財産的権利が付与される)ものであるため、そもそも、「実演を公表するのか、しないのかを決定できる」公表権なるものを認める意義がないからです。

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Q&A/私はある芸能プロダクションに所属しているタレント(俳優)です。私の実演(演技)に関する権利(著作隣接権)は、私と所属プロダクションのどちらに帰属するのですか?

 

{Q} 私はある芸能プロダクションに所属しているタレント(俳優)です。私の実演(演技)に関する権利(著作隣接権)は、私と所属プロダクションのどちらに帰属するのですか?

A 具体的な契約の内容によりますが、実態としては、所属プロダクションに帰属していることが多いです。

財産権として著作隣接権は、著作権と同様に、第三者に譲渡することが可能です(103条参照)。ところで、タレントや俳優、アーティストなどの芸能人がいわゆる芸能界で活動する場合、その所属事務所(プロダクション)と「専属マネジメント契約」を結んでいるのが一般的です。その際、多くの場合、次のように、あなたが実演家として有する著作隣接権は、所属プロダクションに譲渡する旨の契約条項が挿入されているのが実態です: 「〇〇(所属タレント)に係る一切の権利(パブリシティ権及び著作隣接権を含むが、これらに限定されない。)は、すべて△△(所属プロダクション)に帰属する」

このような条項がある場合、あなたの実演と同時にあなたのもとに発生した著作隣接権は、直ちにあなたの所属プロダクションに移転することになります。この点、書面で契約が交わされている場合には、権利の帰属について一度確認することをお勧めします。

なお、実演家には、著作隣接権のほかに「実演家人格権」が認められていますが、こちらの権利は譲渡できませんので(101条の2)、あなたの実演家人格権が所属プロダクションに移転していることはあり得ません(もっとも、契約で、その(対外的な)行使を所属プロダクションに委ねているケースは見受けられます)

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Q&A/芸能人(例えば、歌手など)のモノマネは、著作権又は著作隣接権の侵害にならないのですか?

 

{Q} 芸能人(例えば、歌手など)のモノマネは、著作権又は著作隣接権の侵害にならないのですか?

A モノマネ自体は、著作権法上の問題にはなりません(著作権及び著作隣接権の侵害には当たりません)

芸能人(例えば、歌手など)のモノマネをする場合、それ自体、つまり、特定の芸能人の「声色」や「表情」「しぐさ」、「芸風」といったものをまねても、これらは通例「著作物」とは考えられませんので、著作権の侵害には当たりません。また、歌手や俳優のような実演家には、自己の歌唱や演技に対して「著作隣接権」が付与されますが、この権利の中に、自分の実演の「真似をすることを禁じる権利」は含まれていません(実演を「翻案」する権利はない)ので(891項参照)、実演家(歌手や俳優)の許諾を得ないでその者のモノマネをしても著作隣接権の侵害には当たりません。

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2025年7月1日火曜日

Q&A/役者をしています。わたしの演技は著作隣接権によって保護されるそうですが、そのためには、私の演技をビデオなどに録画して保存しておく必要があるのですか?

 

{Q} 役者をしています。わたしの演技は著作隣接権によって保護されるそうですが、そのためには、私の演技をビデオなどに録画して保存しておく必要があるのですか?

A いいえ、その必要はありません。

役者(俳優)の演技は、「実演」として、著作隣接権によって保護されますが、実演家である俳優が享有することになる著作隣接権は、あなたが演技を行った時点で自動的に発生します(895項、10111号参照)。実演に関しては、「映画の著作物」に要求される「固定性の要件」は定められていません。よって、演技をビデオなどに録画する必要はありません。

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Q&A/「芸能的な性質を有する実演」には、どんなものがありますか?

 

{Q} 「芸能的な性質を有する実演」には、どんなものがありますか?

A 曲芸、アクロバット、マジック、手品、腹話術などがその例です。

著作権法上、「著作物を演ずる」か、著作物を演じないとしても、「演ずる」行為に類似する行為のうち、「芸能的な性質を有する」もの(行為)について、これを「実演」の射程範囲に含めています(213)。一般的に、次のような、観客に”見せる””聴かせる”ためのショーの中で行われる行為が「芸能的な性質を有する実演」に当たると考えられます。

〇 サーカス(曲芸師やピエロは実演家)

〇 アクロバットショー(曲芸師は実演家)

〇 マジックショー(マジシャン、手品師、奇術師は実演家)

〇 腹話術(腹話術師は実演家)

〇 アイスダンスショー(スケート演技者は実演家)

なお、「モノマネ」も、一般的に、「実演」に当たると解されます。「ファッションショー」については、「実演に当たらない」とする裁判例があります。

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Q&A/異種格闘技大会に参加する格闘家は、実演家ですか?

 

{Q} 異種格闘技大会に参加する格闘家は、実演家ですか?

A 一般的に、実演家に当たらないと考えます。

異種格闘技大会やプロレスの試合の中には、相当程度にエンターテインメント性が加味され、「ショー」と言っても差し支えのないものがありますが、それが「芸能的か」(格闘家やプロレス選手は「なにかを演じているか」)と問われると、明確に「はい」とは言えないところです。この点は、プロ野球選手やJリーグのサッカー選手が実演家と言えないのを同じに考えてよいと思います。

(参考) 実務的な話をすると、プロ野球やJリーグサッカー、異種格闘技大会などに参加している選手については、彼らが出場する試合が「放送」される場合、興行主(試合の主催者)と放送事業者との間で放送契約が締結されるのが通例です。その際、放送事業者に認められている著作隣接権によって確保されうる経済的利益の一部を興行主や選手に還元するというやり方で、彼らの利益を確保するように手当てします。

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