デザイン書体は著作物か
▶平成28年12月21日知的財産高等裁判所[平成28(ネ)10054]
いわゆるデザイン書体は,文字の字体を基礎として,これにデザインを施したものであるところ,文字は,本来的には情報伝達という実用的機能から生じたものであり,社会的に共有されるべき文化的所産でもあるから,文字の字体を基礎として含むデザイン書体の表現形態に著作権としての保護を与えるべき創作性を認めることは,一般的には困難であると考えられる。しかも,本件において,「Tour
AD」のブランドロゴは,既存のフォントを利用した上で,「T」の横字画部を右に長く鋭角に伸ばしたものであるところ,文字として可読であるという機能を維持しつつデザインするに当たって,文字の一字画のみを当該文字及び他の文字の字画を妨げない範囲で伸ばすことは一般によく行われる表現であること,文字の一字画を伸ばした先を単に鋭角とすることも,平凡であることからすれば,この表現が個性的なものとは認められない。
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