著作権表示(©マーク)がないことは「過失」がなかったことの根拠となるか
▶平成27年9月10日大阪地方裁判所[平成26(ワ)5080]
被告P2は,原告は,自らの著作権を厳格に管理していたわけではなく,特に著作権の表示をせずに,自由に使用することも認めていたのであるから,被告P2がウェブ検索の結果探した画像をコピーして使用したとしても,その行為には過失は認められないと主張している。
しかしながら,著作物に著作権者の表示がなされていなくとも,当該著作物は著作権法上保護の対象となるのであり,現に,著作権表示のない著作物は多数存在している。そして,原告イラストは,美術の著作物として著作権の対象となることは明らかなものである。そうすると,仮に原告のホームページにおいて,原告イラストについて©マークによる著作権表示がなかったとしても,著作権放棄である旨の表示がない限り,原告イラストは著作権放棄ではないと考えるのが自然であり,(証拠)の記載からすると,被告イラスト1の作成当時も,原告のホームページに著作権放棄の表示があったとは認められない。したがって,被告P2は,実行委員会に提供するための改変行為が原告の著作権及び著作者人格権に牴触するものであることを,容易に認識し得たというべきである。
以上より,被告イラスト1を作成し,それが写った写真をブログにアップした行為が原告の著作権及び著作者人格権を侵害することについて,被告P2には過失があったと認められる。
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