「トントゥ」の人形の美術著作物性を認めた事例
▶平成14年01月31日東京地方裁判所[平成13(ワ)12516]
(注) トントゥは,フィンランドやスウェーデン,ノルウェーなどで語り継がれている想像上の生き物であり,森に住む妖精の一種で,クリスマスの時期になるとサンタクロースがクリスマスプレゼントを配るのを手伝うとされている。
フィンランド在住の人形作家Aは,フィンランドなどで語り継がれているトントゥの寓話から,トントゥのオリジナル人形を創作した。オリジナル人形は,幅,奥行き,高さ各約3ないし6㎝ほどの石膏製の人形で,1体1体手作りされており,Aが上記のようなトントゥの寓話を基に自らの感覚でその容貌,形状,色彩を具体化して人形としたものである。オリジナル人形は,A自身がトントゥの寓話から受けるイメージを造形物として表現したものであって,その姿態,表情,着衣の絵柄・彩色等にAの感情の創作的表現が認められ,かつ美術工芸品的な美術性も備えているもので,Aが著作権を有する著作物である。
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