権利濫用認定事例(同一性保持権等の侵害を理由として慰謝料の支払いなどを請求することが権利の濫用であって許されないとした事例)
▶平成8年02月23日東京地方裁判所[平成5(ワ)8372]
右のような事実関係において、すなわち、自ら事前に二回にわたり、皇族の似顔絵や皇族を連想させるセリフ等の表現を用いないことを合意しておきながら、締切を大幅に経過し、製版業者への原画持込期限のさし迫った8月30日の夕刻になって、ようやく本件原画を渡し、長時間にわたる修正の要求、説得を拒否し、A編集長を他に取りうる手段がない状態に追い込んだ原告が、このように重大な自己の懈怠、背信行為を棚に上げて、A編集長がやむを得ず行った本件原画の改変及び改変後の掲載をとらえて、著作権及び著作者人格権の侵害等の理由で本件請求をすることは、権利の濫用であって許されないものといわざるをえない。
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