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著作権コンサルタントをしています。クリエーターの卵から世界的に著名なアーティストまで、コンテンツビジネスや著作権にかかわる法律問題について、グローバルに支援しています。 カネダ著作権事務所 http://www.kls-law.org/

2025年9月24日水曜日

判例/地質図・柱状図は著作物に当たるか

 

地質図・柱状図は著作物に当たるか

平成141114日東京高等裁判所[平成12()5964]

層序の記載については同一性が認められるものの,この部分に係る被侵害部分の記載に,著作権の保護に値する創作性があるということはできない。それは,この部分が,個々の地層名とそれらが形成された年代を横軸に対比させた上で,その先後関係を縦軸に配置したものであり,その表現方法は,一般的なものであって,同程度の学識経験がある者であれば,同じ体裁の図を作るものと認められるからである。

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柱状図は,基本的に個々の地層の種類,厚さ,相互の上下関係(これら自体が,自然的事実であることは,事柄の性質上,明らかである。)を柱状に記載するものであり,その書式にも定型性があると認められるから,同程度の観察力と知識を有する者が上記事項についての同じ認識に基づいて作成すれば,同じあるいはほとんど同じ図面となるものと認められる。本件でも,被侵害部分は,柱状図としては一般的な書式で記載されており,そこに作成者の個性が表されているものとは認められない(「v」ないし「レ」印で軽石を表象することも,創作性があることとは認められない。)。このような柱状図を作成するためには,調査と分析に相当の手間と時間がかかるものであり,そこに作成者の思考の結果が現れていることは疑いようがない。しかし,この思考結果そのものは,著作権法による保護の対象となるものではない。

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