{Q} 著作隣接権の存続期間について教えてください。
A:承知しました。
著作隣接権(89条参照)の存続期間を考える場合には、著作権の存続期間を考える場合と同じように、権利が「いつ始まる」のか、そして「いつ終わる」のかに注目してください。
▶著作隣接権が「始まる」時
著作隣接権の存続期間は、次に掲げる時に始まります(101条1項各号)。
① 「実演」(2条1項3号)に関しては、その「実演を行った時」
② 「レコード」(2条1項5号)に関しては、その「音を最初に固定した時」
③ 「放送」(2条1項8号)に関しては、その「放送を行った時」
④ 「有線放送」(2条1項9号の2)に関しては、その「有線放送を行った時」
▶著作隣接権が「終わる(満了する)」時
著作隣接権の存続期間は、次に掲げる時をもって満了します(101条2項各号)。
① 「実演」→その実演が行われた日の属する年の翌年から起算して70年を経過した時。
② 「レコード」→その「発行が行われた日」の属する年の翌年から起算して70年を経過した時。もっとも、その音が「最初に固定された日」の属する年の翌年から起算して70年を経過する時までの間に発行されなかつたときは、その音が「最初に固定された日」の属する年の翌年から起算して70年を経過した時に満了します。
③ 「放送」→その放送が行われた日の属する年の翌年から起算して50年を経過した時。
④ 「有線放送」→その有線放送が行われた日の属する年の翌年から起算して50年を経過した時。
▶具体例(「実演」の場合)
2020年1月1日に行われた実演については、同日から保護が始まり、2021年(の1月1日)から起算して70年後の2090年の12月31日まで保護されることになります。
2020年12月24日に行われた実演については、同日から保護が始まり、2001年(の1月1日)から起算して70年後の2090年の12月31日まで保護されることになります。
以上のようにして著作隣接権が満了した後は、その目的となっていた「実演」・「レコード」・「放送」・「有線放送」は、いわゆる「パブリックドメイン」に帰し、社会全体の共有財産となります(誰でも自由にこれらを利用することができるようになります)(1条)。
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