著作権侵害通知フォームからの通知の不法行為性が問題となった事例
▶令和7年3月11日東京地方裁判所[令和5(ワ)70125]▶令和7年10月16日知的財産高等裁判所[令和7(ネ)10037]
[控訴審]
⑴ 著作権侵害通知フォームについて
ア 原告らは、著作権侵害通知がされると、対象とされた動画は原則として直ちに削除され、却下されるのは例外であるから、通知者は、通知が正確であることを確認した上でこれを行う注意義務を負っており、原判決のように「専ら不当な目的で著作権侵害通知フォームからの通知がされた場合」に限定して違法性を認めるのは合理的理由がない旨主張する。
しかしながら、通知された著作権侵害通知フォームの記載内容についてグーグルが一定の審査をした上で、削除の是非を決定しており、現に被告の著作権侵害を理由とする通知の中にも、削除申請が却下されたものがあることは前記補正の上引用した原判決に説示するとおりである。もとより、不正確な著作権侵害の通知をすることは適切ではないが、ある権利の侵害の疑いがある場合において、通知フォームの選択を誤り、著作権侵害通知フォームから通知したとしても、グーグルにおいては、通知内容に関する一定の審査をしていることを踏まえると、通知フォームの選択を誤ったからといって、直ちに通知の対象者との関係で、通知者の不法行為上の過失を認めることは相当ではない。そもそも、権利の侵害の疑いがある場合に、これをグーグルに通知することは、違法な行為ということはできない。その意味において、通知の違法性を認めるために「専ら不当な目的で著作権侵害通知フォームからの通知がされた場合」であることを要件とすることには合理性があるというべきである。
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