ドキュメンタリー映画への資料映像の使用につき、氏名表示権侵害を認定した事例
▶平成30年2月21日東京地方裁判所[平成28(ワ)37339]▶平成30年8月23日知的財産高等裁判所[平成30(ネ)10023]
4 争点3(本件映画に原告の名称を表示していないことは,「その著作物につきすでに著作者が表示しているところに従って」〔著作権法19条2項〕されたものといえるか)について
被告は,本件各映像を本件映画に使用するに際し,原告の名称を表示しないことは,「すでに著作者が表示しているところ」に従ってしたものであり,著作権法19条2項により許容されると主張する。
しかし,著作権法19条2項は,「著作物を利用する者は,…その著作物につきすでに著作者が表示しているところに従つて著作者名を表示することができる。」と規定し,著作者名を表示する場合に,その表示として,既に著作者が表示した名称等を用いることを許容するにすぎず,同条3項において著作者名の表示を省略できる場合が規定されていることからしても,著作者名を表示しないことを正当化する規定ではないと解される。
したがって,被告の主張は失当であり,被告が本件各映像を使用するに際して原告の名称を表示しなかったことは,本件各映像につき原告が有する氏名表示権を侵害する行為である。
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