法41条の適用を認めなかった事例(映画のヌードシーンを撮影した写真を週刊誌に載せた事例)
▶平成13年11月08日東京地方裁判所[平成12(ワ)2023]
(2)上記のとおり,被告は,本件記事において,まず最初の位置に「A初ヌード」「『裸乳』シーンも公開で大騒動!」「京都映画祭で『いちげんさん』で古都騒然!」との大見出しを置き,その上で,第2回京都映画祭が大盛況であったこと,その最大の原因となったのが,A主演の同映画祭参加作品である本件映画であったこと,本件映画は,京都の美しい情景の中で繰り広げられる男女の機微を描いた文芸作品であるが,この中で全盲の女性を演じるAの繊細でしかも大胆な演技が評判となり,映画祭期間中に予定されていた7回の上映は,すべて超満員になり,2回の追加上映が決まったほどであること,映画関係者や映画を見たファンは,本件映画におけるAの演技を肯定的に評価していたこと,Aは,ファンから引退を惜しまれており,近い将来の復帰を望む声も絶えないことを記載し,こうしたことを前提として,本件映画には,Aがヌードになっているシーンが3シーンあることや,それぞれのヌードシーンについて具体的に臨場感あふれる文章で記載し,これをより印象づけるための目玉として,同3シーンそれぞれを撮影した本件写真,すなわち,「ラブシーンで全裸になるA」の写真,「雨に降られてずぶ濡れになった彼女の服を,留学生(D)がやさしく脱がすシーン」の写真,「Aの入浴シーン」の写真をそれぞれ掲載したものである。
そこで,本件記事が著作権法41条所定の時事の事件の報道のための利用に該当するかどうかを検討するに,同条所定の利用というためには,本件記事がその構成,内容等に照らして,時事の事件を報道する記事と認められることを要するというべきであるが,本件記事においては,前記認定のとおり,本件映画に関して,「A初ヌード」「『裸乳シーン』も公開で大騒動!」というような各大見出しが付され,本件活版記事にAの3つのヌードシーンを具体的に説明する文章があり,さらに本件写真が本件グラビアの最後の1ページのほぼ全体を使って掲載され「ラブシーンで全裸になるA。」などの記述が付されているのであって,このような本件記事の構成及び内容からみれば,本件記事が主として伝達している内容は,女優Aが本件映画で初めてヌードになっているということに尽きるものであって,本件記事は,読者の性的好奇心を刺激して本誌の購買意欲をかきたてようとの意図で記述されているものといわざるを得ない。そして,本件映画においてAがヌードになっているということが時事の事件の報道に該当しないことは明らかであるから,本件記事への本件写真掲載は,著作権法41条所定の時事の事件の報道のための利用に当たらないというべきである。
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