猫のイラスト(丸まって眠っている猫を上方から描いたもの)の著作物性が問題となった事例
▶平成31年4月18日大阪地方裁判所[平成28(ワ)8552]
原告イラストは,丸まって眠っている猫を上方から描くに当たり,円形状の上部に配された猫の顔のあごの下から片前足を出して,その片前足を片後ろ足や尻尾とほぼ同じ場所でまとめて描くことによって,ほぼ全体を略円形状の輪郭の中に収める一方で,輪郭より外の部分等は描いていないため,全体が一個のマーク(原告は家紋と表現する。)であるかのような印象を与える。
原告イラストの基本的輪郭は円形状であるが,耳や片後ろ足が円から若干突出して描かれているほか,猫の後頭部から肩にかけての部位は若干ふくらむように描かれ,機械的な真円ではないことから,猫がきれいに丸まっているという基本的な印象を維持しつつも,柔らかく自然な印象を与える。
略円形状の上半分には,猫の頭部,片前足,片後ろ足及び尻尾が猫と分かるように描かれているのに対し,略円形状の下半分は,雲を想わせる抽象的な紋様となっているところ,略円形状の輪郭に沿って右回りにたどると,猫の顔や首の白黒の模様が徐々に変化して雲を想わせる紋様となり,さらにたどると,猫の片後ろ足と尻尾になるという形で連続的に変化しており,また,猫の片前足の付け根は渦巻状になっているが,これを白黒反転させた紋様が下半分の雲を想わせる紋様の中に三個存在するため,全体として,猫を描いた部分と抽象的な紋様の部分とが,うまく一体化している。
(略)
原告イラストは,前記で述べたとおり,表現上の特徴を有するところ,これらはありふれたものということはできず,創作性が認められるから,原告イラストは,原告がこれを作成した時点で,美術の著作物として創作されたものと認められる。
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