このブログを検索

自己紹介

著作権コンサルタントをしています。クリエーターの卵から世界的に著名なアーティストまで、コンテンツビジネスや著作権にかかわる法律問題について、グローバルに支援しています。 カネダ著作権事務所 http://www.kls-law.org/

2025年11月24日月曜日

判例/ 競艇「舟券」の自動購入等の機能を有するソフトウェアの著作物性を認定した事例

 

競艇「舟券」の自動購入等の機能を有するソフトウェアの著作物性を認定した事例

令和3121日大阪地方裁判所[平成30()5948]

(1) 争点1(原告プログラムの著作物性)について

ア プログラムは,「電子計算機を機能させて一の結果を得ることができるようにこれに対する指令を組み合わせたものとして表現したもの」(著作権法2条1項10号の2)であり,所定のプログラム言語,規約及び解法に制約されつつ,コンピューターに対する指令をどのように表現するか,その指令の表現をどのように組み合せ,どのような表現順序とするかなどについて,著作権法により保護されるべき作成者の個性が表れることになる。

したがって,プログラムに著作物性があるというためには,指令の表現自体,その指令の表現の組合せ,その表現順序からなるプログラムの全体に選択の幅があり,かつ,それがありふれた表現ではなく,作成者の個性,すなわち,表現上の創作性が表れていることを要するといわなければならない(知財高裁平成21年(ネ)第10024号同24年1月25日判決)。

イ そこで検討するに,前記1(5)で認定したところによれば,原告プログラムは,市販のプログラム開発支援ソフトウェアである Microsoft Visual Studio を使用して Microsoft Visual Basic言語で記述されているから,ソースコードを個別の行についてみれば,標準的な構文やありふれた指令の表現が多用されており,独創的な関数等は用いられていない。

しかしながら,前記(5)イについては,一定の画面表示を得るために複数の記述方法が考えられるところ,一定の意図のもとに特定の指令を組み合わせ,独自のメソッドを作成して独自の構成で記述しており,同ウ及びエについては,一定の処理方式を選択すること自体はアイデアにすぎないが,やはり,一定の結果を得るためにどのように指令を組み合せ,どの範囲で構造体を設定し,配列・構造化するかには様々な選択肢が考えられるところ,その具体的な記述は,一定の意図のもとに特定の指令を組み合わせ,多数の構造体を設定し,配列・構造化した独自のものになっている。

また,同オについては,HTML データから一定の情報を抽出する指令の記述は選択の幅があるところ,メンテナンス性を考慮して独自の記述をしていることが認められ,同カについても,人間が情報を入力してログインや舟券購入の操作をすることを想定して作成されている投票サイトのサーバーに,人間の操作を介さずに必要なデータを送信してログインや舟券の購入を完了するための指令の表現方法は複数考えられるところ,複数の方式を適宜使い分けて記述し,一連の舟券購入動作を構成していることが認められる。

そうすると,前記イないしカのソースコードには表現上の創作性があるといえ,これらを組み合わせて構成されている原告プログラムにも,表現上の創作性が認められるというべきである。

For more information

0 件のコメント:

コメントを投稿