著作権侵害における「依拠」性
▶昭和59年02月10日東京地方裁判所八王子支部[昭和56(ワ)1486]
そこで、次に、被告の著作権侵害行為の有無について検討するに、そもそも著作権侵害とは既存の著作物に依拠し、これと同一性或いは類似性のある作品を著作権者に無断で複製することによつて生ずるもので、仮に第三者が当該著作物と同一性のあるものを作成したとしても、その著作物の存在を知らず、これに依拠することなしに作成したとするならば、知らないことに過失があつたとしても著作権侵害とはならないものと解すべきである(昭和53年9月7日最高裁第一小法廷判決)。従つて、依拠した結果同一性或は類似性のあるものを作成すると侵害行為となるが、たとえ依拠した場合でも換骨奪胎して同一性或は類似性のないものを作成したとすれば、侵害行為は該当しない。
そうだとすると、著作権侵害を判断するに当つては、先ず既存の著作物に依拠したか否かの点が前提となり、依拠した場合に同一性或は類似性を判断することになる。但し、第三者が既存の著作物と同一或は類似のものを作成した場合、それは依拠したことを推認する資料となるうるのであつて、それが酷似すればする程その度合は強くなるといえる。
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